第32話:年1くらいで見たくなるアニメ『てーきゅう』

 見ていると頭がおかしくなりそうになるけど、年1くらいで全話見たくなるアニメ『てーきゅう』について語りたくなった。

 なお、9期まであるが、全話見ても通常のアニメ1期分より短い。だいたい1期分が通常のアニメ1話分くらいの尺だ。

 超絶短い尺にすごいテンポでギャグを詰め込む作品。本当におかしい。7秒で数個のボケとツッコミを入れたりする。

 たとえば、マリモ先輩というキャラクターがゲーム世界に入り込む回のOP前の7秒間の展開がこれだ。

 ゲームを遊ぼうとしたら「暴力的シーンがあります」と表示された。

 テレビの中から手が生えてきてビンタされ「暴力的!」とツッコミを入れる。

 再度ビンタされ、謎の手に引っ張られてテレビの中へ……。

 これがOP前の7秒間の展開だ。


 うん、おかしい。


 短い尺にひたすら展開とセリフを詰め込むため、セリフが異様に早口になっているのも面白い。1期の前半は比較的ゆっくりだが、普通のアニメよりは早口だ。

 徐々に加速し、2期になる頃にはかなり早口になっている。絵もしっかり動くが、尺がないので頻繁に切り替わる。


 そのうえ、不条理ギャグだ。


 個人的に、一番オチが秀逸だと思った回がある。

 かなえ先輩の家に遊びに来たテニス部一同だったが、なんとかなえ先輩の家じゃなかったというオチだ。「お母さんだよ」とか「壁にもたれかかって寝るから壁の柱に顔の形のシミがあるんだよね」とか、散々やっておいて「ここ私の家じゃない!」で終わる。

 意味がわからないが、このオチには当時ものすごく感心した。不条理ギャグとしてあまりにも綺麗な流れだった。


 ただ、展開もテンポも早いうえに不条理ギャグなので、集中して見続けていると本当に頭がおかしくなりそうになる。

 それなのに、見始めるとついついずっと見てしまう。

 怖いアニメだ。


 また、放送当時はニコニコ生放送でも公式配信があったんだけど、放送当時は原作の掲載誌のCMなどが入っていた。CMは高宮なすのというキャラクターが担当し、「高宮なすのです!」というセリフで始まる。

 これが妙に癖になる。


 なお、配信サイトではCMは見られない。普通はCMカットはメリットなのだが、本作に関しては残念ポイントになる。


 というか……CMがないと休憩ポイントがないんだよね、これ。ニコニコdアニメでコメントアリで見るのが好きなんだけど、ニコニコdアニメだと数話単位でまとめられているから本当に休憩ポイントがない。


 結構ネガティブなことも書いている気がするが、本作は良いところもダメなところも両方揃って面白さになっているのがずるい。


 というか、普通にアニメとしてクオリティが高いんだよね。超短尺アニメとしては破格の作画だし、アニメーションもちゃんと動くし……。

 そもそも、原作からして絵がかわいい。ギャグマンガにあるまじき可愛さ。


 原作の作画担当の人は、後に同人のR18百合RPGを作っていた。もちろん買った。笑って泣ける名作だった。

 ゲームの発売日が迫るとカウントダウンイラストをあげていたんだけど、「高宮なすのです!」で宣伝イラストを描いていて「これはずるい」と思った。

 作者ファンなら問答無用で買いたくなる宣伝方法だった。


 少し話が逸れたが、本作の最大の魅力はツッコミとキャラの可愛さにあると思う。ギャグアニメはツッコミがダメなら全部ダメになる。


 ボーボボもビュティがいなければ、あるいはビュティのツッコミがダメダメだったならば、これほどの人気作にはなっていないだろう。実際、漫画のワードセンスが素晴らしいうえにアニメ化したときは声優のツッコミ演技がすごく良かったのを覚えている。

 てーきゅうも、ツッコミがとても気持ちがいい。ワードセンスもいいし、ツッコミ自体がボケの延長になっているケースもあって多種多様だ。

 ローテンションツッコミから、ハイテンションツッコミもある。ツッコミキャラがボケ倒す異常事態の回まで用意されている。

 ギャグアニメとして美味しいところをしっかりおさえている。


 非常に丁寧にギャグをやっているという印象だ。


 だからこそ、たまに見たくなるんだろう。何度見ても笑えるのだからすごい。

 ただ、あまりにもテンポが速すぎて笑いが遅れてやってくる。じわじわとボディブローのようにきいてくる。


 実は、今これを書きながら流しているんだけど、4期全部を見終えてしまった。驚きの速さ。普通のアニメなら、まだ1話の終盤だろうに。


 あと、OPもいい。9期全て別の曲と映像を用意しており、それぞれがキャラソンになっている。どの曲も曲調が違って楽しい。

 2期の『メニメニマニマニ』が、恐らく最も有名だろう。僕の最推しである高宮なすのの歌ということもあり、僕もこれが一番好きだ。


 というか、こんな尺が短いのに毎回ちゃんとOP流すの凄いよね。OPは作品の玄関口になるということを、しっかり理解しているんだろう。

 実際、メニメニマニマニから本作を見たという人も結構いるらしい。


 僕はなぜか1期1話をリアルタイムで見ていた。

 本当になんでだろうね?

 当時は確か高校生? ギリ高校生? 卒業済み? わからない……。

 全アニメの1話を見てから、何を見るか決める余裕があった時期なんだろう。


 色々語ってきたけど、本作は僕の中ではかなり特異な作品になっている。

 僕が繰り返し見るアニメに、ギャグアニメはほとんど入っていない。シリアスなアニメのほうが、繰り返し見る率が圧倒的に高いのだ。

 シリアス大好き人間だから。


 ギャグも好きなんだけど、ギャグは初見が一番面白いからね。

 ただ、本作だけは本当に年1で見ている。なんなら、印象的な回はセリフを暗記しているくらいだ。それなのに笑える。


 各種サブスクにあるから、興味があれば見てみてほしい。かなえ先輩の家に行く回まで見れば、本作の面白さがだいたい伝わると思う。


 最後になったが、タイトルの「てーきゅう」は庭球のことだ。つまりテニスのことだね。

 一応高校テニス部を舞台としているのだけれど、ほとんどテニスしない。それなのに、アニメに「テニス指導」が付いている。一体どこをどう指導したんだ……。


 まあ、一番凄いのは、このアニメが9期まで続いたという事実だよね。あの頃は一生続くような気がしていたよ。


 一番好きな回は、5期の通算57話『先輩と賢者の石』だ。こんなタイトルだが、焼き芋回。アニメの各話タイトルは、毎回映画などになぞらえて付けられている。

 よくそんなネタ続いたな!


 語りつくせずグダってきたので、終わっておこう。


 『てーきゅう』はいいぞ。

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