良く熟れた青いリンゴ

進行形

第1話

いつからだろうか、教師という職に憧れ始めたのは小学校の時の恩師に出会った時からだろうか、

中学校の時にいじめから救ってくれた教師にあった時からだろうか、

高校の時に親身になって進路の相談に乗ってくれた教師に出会った時からだろうか……。

 明確にどれだとは言い難い。だが、彼らが今の目標になっていることは事実だとは感じる。

 そんな彼らのような存在になりたいと強く抱いき、大学で学び続けた。

 ただ、心の奥底から呼びかけるこの声はなんなのだろうか。

 自分が教師を目指すだけの十分な理由はいくらでも語れるというのにも関わらず、なぜこんなにもその目標に冷ややかな軽蔑の目を向けてしまうのだろうか。

 いや、自分でも薄々気づいていたことではある。あくまで理想でしかなかったということを、それを追いかけることがとても悪いことだとは思わないが、逃げ道がないことには気づくべきだったとは思う。

 愚直な私はなんの疑問も抱かず言われるがまま教卓へ立った、私に向けられる視線の全てが尊敬と羨望だと疑わなくて信じないほどに愚かだったと思った。

 ただ、そんな私でも気がつくほどに不気味な少女が一人いた。

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