第12話 八十万禁軍棒術師範

官兵衛が旅に出て10日が経った。


【氏名:よしだまさよし】

【1/31 8:33:15】

【ランク:守護霊】

【精神力:25600】

【精神力消費:「4200/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】

【精神力増加:「4260/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】

【領域:510m】


とりあえず、精神がギリ回復できる分で領域を拡げた。


さて、これでどんな変化が起きるのか早速覗いてみる。


知らないうちに、集落名が『ラビット村』になっていた。


皆も作業をする際は人型だけではなく、昆虫体でやるものも多い。


どうやら人型⇔半獣⇔昆虫体への変態は自由にできるらしい。


ちなみに服は、体の一部を変態させるので、前世で来ていた服装や鎧であればいちいち着なくていいみたいだ。


某アニメみたいに服が破けて来週復活みたいにはいかないからね。


進化後の種族名はこうなった。


大ウサギ→ラビットキング

大カマキリ→キングマンティス

大ミツバチ→キングビー

大ケラ→キングモールクリケット

大クモ→キングスパイダー


それと、清正公が山師やら工業職人やらを20名配下にしていた。


彼らの登用により、武器や防具、工具や日用品などの作成が可能となった。


甚五郎さんも大工見習として10人配下にしていた。


彼らが半獣状態になり、4本・6本の手で釘を打ち、鋸で木を切る姿は圧巻である。


卑弥呼さんたちは、食材や調理器具が揃ったことで色々な料理を作り始めた。


何処からみつけてきたのだろう、米や麦、トウモロコシを育成し、ダイコンやニンジンなどの畑も作ってる。


蜂蜜を使っての料理やジュース、更には酒まで造り始めた。


また、卑弥呼さんの部下に医学に通じた女性がおり、数人を連れて診療所もやっている。


女医の名前は「楠本イネ」。


前世はシーボルト博士の娘さんだった。


また、他の卑弥呼の部下に際立って美しい女性がいる。


ただ彼女、自分の名前がわかっているはずなのに誰にも自分のことを話さない。


よく働くし、皆とはうまくやっているようだけどね。


それからさらに10日経つ。


今回は別の種族から、自分たちを保護してほしいとの申し出があった。


種族はカヤネズミ、家族4匹での申し出だ。


ピットのもとで父ネズミ光りだし、進化が終わる。


スーツを着た男は片膝をつき自己紹介を始める。


「わたしはジェイコブ・シフと申します。他の地帯より迫害を受け、身の危険を感じ、この地に保護を求めていただきたく参りました。金融や商売にはいささか自身がありますので、必要な際はお呼びだてください。」


シフさんと言えばユダヤ人でクーン・ローブ商会の頭取にまでなった人。今後他の地域と商売を行う際はぜひ頼らせてもらおう。


次に現れたのはスズメの親子4羽。


こちらも隣の地域から避難してきたらしい。


進化が終わり、現れたのは作務衣を着た男。


「我々を保護頂きありがとうございます。私の名は友成、刀鍛冶を生業としておりました」


なんてことでしょう!伝説の刀匠さんがいらっしゃいました。


友成さんは平安時代に活躍した刀工で、その作品は国宝に指定されている。


これからはうちの武人達に専属の武器を作っていただきたい。


そしてもう1匹。


こちらも隣の地域から来たのだが、全身が傷だらけのヒョウである。


重症だったが、診療所での治療が功を奏し、数日後には歩けるようになった。


こちらは最初、自身に目的がある為に進化を拒んだのだが、


「それじゃあ、目的達成までの間だけ居るでも構わないよ?」


ピットの提案を受け入れ、進化を行った…この人とんでもない大物だった。


「ありがとうございます、頭領。私の名前は林冲、皆には「豹子頭」と呼ばれておりました。」


知ってる、水滸伝の登場人物だよね。

水滸伝は物語だから、林冲自体は架空の人物だったはず。

この世界の輪廻転生は、前世の実在するものだけではないようだ。

あと水滸伝自体は最後まで悪が倒されずにすっきしりない物語だったんだよな。

俺なら絶対悪の『四姦臣』を倒すまでの物語にするけどね。


林冲は自身の現状を語りだす。


「今、私は仲間に冤罪を着せられ、この地まで逃れてきた次第であります。」


「何としても汚名を晴らし、残してきた妻と暮らしたいのです。」


涙ながらに語る林冲に、ピットが


「分かった!」

と、簡単に返事しまわないか心配だったが、


「林冲さん、心中お察しします。近いうちに軍師・官兵衛が近隣偵察から戻りますので、その時に詳細をお聞かせください。」


おぉ、ラビット・ピットよ、大人になったなぁ。


こういうときは即決せず、ちゃんと状況を理解できる人と話すのが基本。


涙は出ないけど、うれし涙が出そうになった。


しかし、これだけ頻繁に避難民が来るとは、隣接地域はどうなっているのだろうか?


林冲ほどの人物が流れ着いたことも気になるし、早く付近の情報が欲しいところだ。


ちなみにステータスは


【氏名:よしだまさよし】

【2/10 16:43:35】

【ランク:守護霊】

【精神力:26200】

【精神力消費:「4600/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】

【精神力増加:「4640/1日・0/1時間・0/1分・0/1秒】

【領域:550m】


2/10までの人口


ラビット・ピット→直属9名(ボウイ・ツキノ・官兵衛・清正・甚五郎・卑弥呼・シフ・友成・林冲)


直属の部下・家族たち→364名


となっている。


そしてその日の夜、官兵衛が数編の情報収集から帰ってきた。

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