第49話 ストリーキング 花帆編③

 しばらく待っていると、脱衣を完了させた花帆が震える声でオレに報告してきた。


「あの……ぬ、脱いだよ……お兄ちゃん」


 その報告を聞いて、オレはすぐに振り返る。


 そこには本当に何もかもを脱いで生まれたままの姿になった花帆が立っていた。

 一応脱いだ服で体を隠しているため、大事なトコロは見えなかった。


「ちゃんと脱いだみたいだな。服はオレが預かっておくよ。撮影の邪魔になっちまうからな」


「う、うん……」


 花帆が衣服を渡してくる。


 オレはそれを受け取り、軽く畳んで背負っていたリュックにしまった。

 脱いだばかりだったため、服にはまだ花帆の体温が残っており、ほんのり温かった。


 これで花帆は隠すものを失い、真の意味で全裸になってしまったことになる。

 人気ひとけがないとはいえ野外で裸にされてしまった花帆は本気で恥ずかしそうだった。


「うぅ……恥ずかしすぎて頭がおかしくなりそうだよぉ……」


 手で胸とアソコを隠し、今にも泣き出しそうな状態だ。

 

 そんな姿を見せられたら、余計に辱めたくなってしまう。


「手で体を隠しちゃダメだぞ、花帆。これは撮影なんだから自然体でいないと」


 家にあったビデオカメラをリュックから取り出しながら花帆を窘める。


「う……確かにその通りだね……」


 花帆は恥ずかしそうにしながらも、胸とアソコから手を離して気をつけに姿勢になった。


「おぉ……」


 そのきれいな裸体にオレの視線が釘付けになる。


 シミひとつない体に、ぺったんこの胸に、つるつるのアソコ。

 何より野外に美少女が生まれたままの姿で立っているというシチュエーションがオレを興奮させる。

 太陽の光に照らされた裸体は本当に美しい。

 まるで森の中の妖精のようだった。


「あ、あんまり見ないで……」


 一方の花帆は、もう全身真っ赤だった。

 羞恥に体を震わせ、涙目になっている。

 野外で裸にされ、気をつけの姿勢で立たされていることが相当恥ずかしいのだろう。

 必死に羞恥に耐える姿は本当に扇情的だ。


「悪い、悪い。それじゃさっそく撮影を始めようか」


 もうしばらく花帆の裸体を観察していたいところだが、あまり時間をかけるわけにもいかない。

 人気ひとけのない山の中とはいえ、絶対に人に見つからないという保証はないのだ。

 少し離れた場所にはキャンプ場もあるし、ちょっとした登山やハイキングなどで今の時期にこの山を訪れる人だっているかもしれない。

 そして、万が一誰かに見つかってしまった場合は間違いなく大騒ぎになるだろう。

 そんな事態だけは絶対に避けたいので、オレは急いで用事を済ませることにした。


「……それじゃ、まずは軽くその辺を走ってみてくれ。ジョギング程度のスピードでいいぞ」


「は、走ればいいの?」


 指示通り、花帆がジョギングのペースで走り始める。

 オレはそんな妹に並走し、運動会での娘の活躍を撮影する父親よろしく花帆にビデオカメラを向けた。


 胸やお尻やアソコをさらけ出した状態で走る妹。

 人生でそう何度も見られる光景ではない。

 オレは撮影しつつ、全裸で走る妹の姿を目に焼きつけることに集中していた。




「……花帆、もういいぞ。止まってくれ」


 数分ほど走らせた後、オレは花帆に終了を告げた。


 それを聞いた花帆が、その場に停止する。それほど長い時間走っていたわけではないが、花帆は少し息が上がっているようだった。


 花帆の息が整うのを待ち、リュックから小道具を取り出す。


「次は縄跳びだ。これを使って跳んでくれ」


 そう言いながら、持参した縄跳びを手渡す。


「縄跳び……そんなに難しい技はできないけど……」


「大丈夫だ。基本の前跳びでいいぞ。……というか、ケガしちゃまずいからあんまり難しい技には挑戦しないでほしい」


 今の花帆は全裸なのだから、縄が素肌に当たってしまうリスクが普段より高い。

 そうなれば当然痛いし、ケガをしてしまう可能性もあるだろう。

 だから『二重跳び』だの『はやぶさ』だの難しい技には挑戦しないでほしいというのが本音だった。


「わかった……前跳びだけにしておくね」


 花帆がグリップを握り、前跳びを始める。

 この跳び方は最も基本的な技と言えるので、誰でも簡単に跳ぶことができるだろう。

 あまり縄跳びが得意ではないと主張する花帆も余裕の表情で跳んでいる。


 オレは先ほどと同様にビデオカメラのレンズを向けながら、全裸で縄跳びをする妹の姿を目に焼きつけていた。




 そうして花帆の息が切れ始めた頃。


「お疲れ、花帆。もういいぞ」


 一心不乱に前跳びを続ける花帆にオレは縄跳びを終了するよう指示を出した。


 花帆が跳ぶのをやめ、呼吸を整えながら縄跳びを手渡してくる。


 オレはそれを受け取ると、リュックにしまった。


「な、なんか思ったより疲れたかも……」


「縄跳びって意外と体力を消耗するもんな。でも安心しろ。次で最後だから」


「……本当に!? よかったぁ……」


 安堵の表情を浮かべる花帆。よほど全裸での撮影から解放されたいらしい。


「最後はあの木の下で撮影するからな。ついてきてくれ」


「うん」


 こうしてオレたちは最後の撮影をするため、近くにある木の下まで移動した。


 夏なのに葉っぱはほとんどついておらず、枯れかけているように見える。

 おそらく老木だろう。


 そんな木の下までやってくると、オレはさっそく花帆に指示を出した。


「花帆……頭上に枝があるだろ? あの枝を両手で掴んでくれないか?」


「……え? こ、こう……?」


 花帆が指示通りに頭上にある細い枝に両手をのばしてしっかりと掴む。

 枝は、手を伸ばせばギリギリ届く場所にあるので、花帆は全裸でバンザイをしている格好となった。

 今日一番の扇情的な格好と言えるだろう。


(さて……あとはバンザイの状態で固定するだけだ)


 オレは最後の仕上げとばかりにリュックからおもちゃの手錠を二つ取り出すと、素早く花帆の左手と枝を手錠で繋いだ。


「お、お兄ちゃん!? 何するの!?」


 当然抗議されるが気にせずにもう一つの手錠で右手も枝に繋ぐ。

 こうして花帆はバンザイの格好のまま両手を手錠で木の枝に繋がれてしまったのだった。


「よし……完了だ」


 すべての作業が終了し、数歩ほど後ずさる。


「ちょっとぉ……」

 

 拘束されてしまった花帆が涙ながらに手錠をはずすよう懇願してきた。


「お兄ちゃん……恥ずかしいよぉ……手錠これはずしてぇ……」


 顔を真っ赤にし、身をよじらせる花帆。

 今の格好が相当恥ずかしいのだろう。

 全裸でバンザイしている格好で固定されてしまっているのだから無理もない。

 胸もアソコも丸出しの状態だった。


 そんな花帆の裸体を、オレはじっくりと観察する。

 ぺったんこの胸も小ぶりのお尻もきれいなアソコもすべてが芸術作品のようだし、何より恥じらう姿が最高だ。

 正直いつまででも見ていられそうだった。


「相変わらず最高の裸体だよ、花帆」


「いやぁ……隠せないんだからジロジロ見ないでぇ……」


 花帆の口から艶めかしい声が漏れる。


 もう少し観察していたいが、そろそろ精神的に限界かもしれない。


 オレは仕方なく視姦するのをやめ、次の行動に移ることにした。


「頑張れ、花帆。あと少しで終わりだからな」


 そんなふうに励ましながらビデオカメラで撮影する。


「うぅ……あと少しのガマン……あと少しのガマン」


 花帆は自分に言い聞かせるように繰り返しつぶやき、何とか羞恥心に耐えていた。


 それから数分後。

 充分に撮影して満足したオレはビデオカメラをリュックにしまい、花帆に近づいた。


 そのまま妹の体に両手を伸ばし、胸やお尻を中心に全身をまさぐり始める。


「ひゃあっ!!」


 花帆の口から再び艶めかしい声が漏れた。


「お、お兄ちゃん!? 何してるの!?」


「静かに! AVの撮影のためだ。女体の感触を知ることも重要なんだよ」


「そ、そうなの……? でもやっぱり体を触られるのは変な感じがするよ……って、ひゃあっ!!」


 またもや悲鳴が上がる。オレがお尻を優しく撫でたからだろう。


 オレはその後も、両手が使えず抵抗ができないのをいいことに花帆の全身を触り続けた。


 まだまだ未成熟な体だが、それでも女の子特有の柔らかさを感じることができるため、ずっと触っていても飽きる気がしない。

 胸もお尻ももちろんそれ以外の部分も、天にも昇るような触り心地だった。


 そうしてしばらく全身をまさぐっていると、やがて花帆がぐったりとしてくる。

 触られる度に反応していたからさすがに疲れてきたのかもしれない。


(さて次は……)


 充分に女体を堪能したため、今度はガラ空きになっている腋の下に手を差し込んだ。


 そして、そのまま指を動かし両腋を刺激する。

 イタズラの定番・くすぐり攻撃だ。


「……え? あははは!! くすぐったい!!」


 ぐったりとしていた花帆が大声で笑い始める。


「あははは!! やめて!!」


 何とかくすぐったさから逃れようと身をよじっているが、両手はバンザイの状態で木に固定されているため、腋を閉じることができない。


「まだまだ本番はこれからだぞ!!」


 オレはそんな無防備な腋をなおもくすぐり続けた。


「あははは!! お……お兄ちゃん、これ撮影と関係あるの!?」


「くすぐりプレイっていうのがあるんだよ。……まぁマニアックなプレイだとは思うけどな。せっかくだから経験しておきたい。もう少しだけ耐えてくれ」


 プレイについて説明しつつ、腋の下から脇腹にかけて間断なく刺激を与え続ける。


「あ……あは……あはは!!」


 あまりのくすぐったさにまともに話すこともできなくなる花帆。 

 ただ大声で笑うことしかできず、非常に苦しそうだ。


(た、楽しい……)


 オレは気づけば夢中で花帆の腋をくすぐっていた。


「あははは!! あはははは!!!」


 それからしばらくの間、山の中に花帆の笑い声が響くのだった。




 そうして花帆の声が枯れ始める頃。

 オレは腋をくすぐっていた手を止めた。


「はぁ……はぁ……」


 花帆は先ほど体をまさぐった時とは比較にならないほどぐったりとしている。

 きっと笑い疲れたのだろう。


 オレはそんな妹に対し、最後のプレイを実行することにした。


「お疲れ、花帆。オレは少し離れてるから、ゆっくり休んでてくれ」


 くるりと背中を向けると、花帆をこの場に残し、歩き出す。

 

 それを見た花帆は大慌てだ。


「ちょ、ちょっと! どこに行くの、お兄ちゃん!?」


 離れてゆく兄を必死に呼び止めようとするが、オレは振り返ることすらせず、なおも歩き続けて距離をとる。


「こ、こんな格好のわたしを一人にしないでよ!!」


 後方で花帆が何やら叫ぶが、もうオレの耳にはほとんど届かない。


 つまり、花帆は全裸で木の枝に両手を固定された状態で放置されてしまったのだ。

 不安になるのも当然だろう。


 だが、放置プレイをすることが目的なので、すぐには花帆のもとに戻らない。


 オレは近くの茂みに隠れると、リュックから双眼鏡を取り出して妹の様子を観察することにした。


 全裸で放置されてしまったことが心細いのか、花帆は今にも泣き出しそうな顔をしている。

 恥じらう姿も可愛いが、放置プレイを受け絶望している今の状態も魅力的だ。

 遠くから双眼鏡を使って眺めているだけなのに興奮してしまう。

 だが、可愛い女の子が裸で放置されている姿を観察しているのだから無理もないだろう。


 それからしばらくの間、オレは茂みに隠れながら花帆の絶望する表情をこっそり眺めて楽しんでいた。


(……さてと、そろそろ戻るか)


 そうして充分に放置プレイ状態の妹の様子を観察したオレは、茂みから出て花帆のもとに引き返した。


 なんだか今回はAVの撮影まがいの行為に終始していたような気がする。

 そのせいで『花帆にストリーキングをさせる』という当初の目的をほとんど果たせなかった。


 だけど、オレは大満足だ。

 今日の出来事はきっとこの先もずっと忘れないだろう。

 野外で全裸になり恥ずかしがる花帆の姿はどれだけ時間が経っても鮮明に思い出せるような気がしていた。

 

 

 

 


 

 


 

 


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