第8話 一緒にお風呂 後編
リビングから脱衣所へと移動したオレたちは、さっそく風呂に入ることにした。
オレの前で彩実と花帆が服を脱ぎ始める。
心なしか少し焦っている様子だった。
(あんな映画を観た後だから早く風呂に入ってさっさと出たいんだろうな)
今は風呂場に長居したくないという妹の気持ちは理解できる。
二人とも未だに怯えている状態なので、今日は早めに入浴を済ませた方がいいかもしれない。
オレも急いで服を脱ぐことにした。
……が、ここでちょっとした問題が発生する。
オレがTシャツを脱ごうとした時には二人ともすでに脱衣を済ませていたのだが、体を隠そうともせずにその場に佇んでいたのだ。
目に涙を浮かべ、一糸まとわぬ姿でオレを見つめる彩実と花帆。
女の子の大事な部分が丸見えだが、今はそんなことを気にしている余裕はないようだ。
そのせいでオレの下半身が大変なことになってしまう。
(ま……まずい! これはマジでまずい! 何でこうなることを想定できなかったんだ? オレ……)
普通の兄なら妹の裸を見たところで別に何とも思わないだろう。
だが、オレは実の妹のことを完全に異性として見てしまっているため、彩実や花帆の裸を前にしたら下半身を制御できないのだ。
(く……別にオレは悪くない。妹が可愛すぎるのが悪いんだ。こんな可愛い妹の裸を見たら、誰だってこうなるに決まってる……)
とっさに前屈みになることで、何とか下半身の膨らみを隠す。
幸い、まだ二人にはバレていないみたいだが、このままズボンを脱いだら間違いなく気づかれてしまう。
それだけは何としても避けたかった。
「わ、悪い……やっぱりオレは後で入ることにするよ。風呂には二人で入ってくれ!」
オレはこの場からの緊急離脱を試みる。
妹とのお風呂を諦めなければならないのは非常に惜しいが、背に腹はかえられない。
兄として、妹に下半身を見られるわけにはいかないのだ。
しかし、脱衣所からの逃亡など妹たちが許してくれるはずがなかった。
「ダメ! 行かないで、リュウ兄!」
「お兄ちゃん! 一緒に入ってくれるって言ったでしょ!!」
すがるように裸でオレの両腕に抱きついてくる彩実と花帆。
二人とも、オレを逃がすまいと必死だ。
お化けを恐れて抱きつく姿はとても愛らしいが、今の二人はすっぽんぽんなので、余計に股間が刺激されてしまう。
妹たちに抱きつかれて身動きがとれずに困っていると、家の外で強風が吹いたらしく、ガタガタという家鳴りが聞こえてきた。
「「きゃあ!!!」」
その音に驚いたのか、二人がさらに強く腕にしがみついてくる。
普段なら家鳴りや風の音なんてそこまで気にならないが、今は恐怖心のせいで物音に敏感になっているのだろう。
裸の妹たちがあまりにも強く腕にしがみついてくるせいで、かつてないほどの刺激が股間に集中してしまっていた。
(ちょ……本当にやばいって……)
右腕に彩実のたわわなおっぱいと柔らかい体。
左腕に花帆のわずかな膨らみとすべすべの柔肌。
オレの股間は冗談ぬきで爆発寸前だ。
「……そ、そうだ!」
万事休すか……と思われたその時、オレの脳裏にひとつの妙案が浮かんだ。
「今日だけ水着を着て入らないか? お互いのためにもその方がいいだろ」
水着を着用して入浴する。それがとっさに思いついたアイデアだった。
この提案を聞いた二人がようやく冷静さを取り戻す。
「そ、そうね。水着を着た方がいいわね」
「本当に何で思いつかなかったんだろうね」
オレの腕から離れ、胸とあそこを両腕で隠した二人が照れながら言った。
落ち着きを取り戻したことで、急に裸で兄に抱きついたことが恥ずかしくなったようだ。
「……じゃあ急いで水着を取ってこようか」
「「うん!!」」
一度脱衣所を出て、それぞれの部屋へ学校指定の水着を取りに行く。
そして水着に着替えると、オレたちは三人で入浴することにした。
スクール水着姿の二人も魅力的だが、全裸よりは股間に優しい。
女の子の大事な部分が隠れたおかげで、下半身もだいぶ落ち着いていた。
(やっぱり派手すぎない水着は、裸や下着姿より男子の股間に優しいな)
そんなことを考えながらシャワーを浴びて、湯船に浸かる。
三人同時に浸かったため、お湯が大量にあふれてしまった。
「せまいわね……」
「昔は三人で入ってもちょうどいい大きさだったのに……」
「みんなそれだけ成長したってことだろ」
五、六年ほど前まではよく三人で入浴していたのだ。
だが、その頃はこんなにせまく感じることはなかった。
こうしてまた三人で風呂に入ると、成長を実感できて何だか嬉しい。
「……リュウ兄、ありがとね。一緒に入ってくれて」
彩実が唐突にお礼を言ってくる。
「わたしも……あんな映画を観た後だから一人でお風呂に入るの不安だったけど……今はお兄ちゃんがいるから平気だよ。ありがとう……」
続けて花帆からもお礼を言われた。
どうやら恐怖を感じている時にオレがそばにいることを心強いと思ってくれているようだ。
妹から頼りにされることは、兄として素直に嬉しかった。
気づけばオレは、彩実と花帆の頭を優しく撫でていた。
「気にするな。オレはいつでも二人のそばにいるから、何かあったら気軽に頼ってくれよ!」
「リュウ兄……」
「お兄ちゃん……」
それからオレたちはぬるめのお湯に浸かりながら、心ゆくまで兄妹水入らずの団欒を楽しんだのだった。
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