後半が始まってもブルーウイングスのチャンスはなかなか訪れなかった。

後半立ち上がりからBlack Raptorはボールをキープして攻め続けた、後半1分、キックパスをインゴールでキャッチしそのままトライを決められ、13対21と点差を広げられた。

ブルーウイングスの精神的疲労が目立ち膝に手をつき下を向く選手が目立ち始めた。

その時観客席から大きな歓声が聞こえた。

選手が観客席を見ると、頭に包帯を巻いた川本がユニフォーム姿でレフリーとともに交替のタイミングを待っていた。

田﨑は苦笑いしながら言った。

「これから逆転して昇格が決まるおいしいところを川本さんは持って行く気だな。

まあ、、、今日はおいしいとこを川本さんにあげるためにも勝つぞ！

全員で1cmでも前へボールを運ぶぞ」

一際歓声が大きくなり川本がグランドに走ってきた。

全員の背中を叩き、

「まだいけるな！」と声をかけた。

全員の背中が伸びた。

「当たり前じゃないですか」

川本が戻ったことでチームの雰囲気が変わり、

観客席の雰囲気が変わったことでスタジアム全体の雰囲気が変わった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい