第73話 二人で探索

由香里と二人まったり(俺達にしては)な夜を過ごして朝を迎えた。


由香里に今日は未来をよろしくお願いします、と言われて頷く。


二人でダイニングに入ると、未来が待ちきれないと駆け寄ってきた。

今日は楽しもうな、と声をかけると嬉しそうに抱き付いてくる。


未来を宥めながら皆で朝食をたべ、支度をするために部屋に戻ってきた。

支度が出来たら部屋に迎えに来てほしいと言われているのだ。


早くても30分後と言われたので30分経ってから部屋を出る。


未来の部屋に着いたので扉をノックする。

中から「はーい!」と返事があり扉が開く。


「迎えに来てくれてありがとー!」


真っ白なワンピースを着た未来が満面の笑みで立っている。

可愛くない?


未来は家の中では無防備な薄着でいることが多いのだが、清純な感じのワンピース姿がとても似合っていて良いな。


「今日の服もとても似合っていて可愛いな」


未来は嬉しそうに腕に抱き付いてくる。

俺だってこのくらいの気の効いた事は言えるのだ。


嘘つきました、すみません!

今朝、由香里から

「服装はちゃんと褒めてあげてくださいね?

すごく悩んで、選んでいましたから」

との助言をいただいていました。


今日は現地でのんびりと散策を楽しみたいとの事なので、行きは転移で時間を節約する。


到着したのは、拠点より少し南にある湖と牧場が一緒になった観光名所だ。


ここで周辺を歩きながら散策しようと話し合って決めたのだ。

モンスターが出たらレベルアップも出来て良いね!と言っていたので事前にモンスターを減らすなどはしていない。


今は牧場内の遊覧船乗場にいる。

牧場内の地図でも探して、どこに向かうか決めようかな。


湖の周りを一周すれば良いのかな?

道はあるのでそこを進んでみよう。


歩いていると変なモンスターが近付いてくる。

アルパカ?名前は聞いたことあるけど、見るのは初めてだな。


やけにモコモコしているけども、あの毛を加工したら良い服の素材が作れそうだな。


未来に聞いてみると、欲しい!絶対逃がさないよ!と意気込んでいる。

加工のスキルを取ったらあの毛を布とかに出来るかな?


スキルポイントは無駄に余っているので、取って試してみよう。


襲ってくるアルパカモンスターを、未来が倒しやすい様に時空魔法のスローで遅くする。

そこに未来が魔法を使い一体ずつ確実に倒していく。


数が多いな。

色々なモンスターが集まってきている。


魔力節約のため、パチンコ玉を弾きモンスターの足を潰していく。

指弾のスキルを取得して、こっそり練習していた成果が出てるな。

パチンコ玉は沢山回収してあるので、今後も活躍してもらおう。


2、30体は倒したかな?未来もかなり強くなってるな。

俺が手助けしなくても2、3体なら十分対処出来そうな感じだ。

次は剣術で倒してみてもらおう。


モンスターもいなくなったので、手を繋いで歩き出す。

少し進むと気配感知に新たな反応が現れる。


そちらに進んでいくと牛のモンスターがいた。

種類は分からないが次元空間の牧場行きだな。

見える範囲の牛は全部移しておく。


そういえば鶏の雄も欲しかったんだよな。

ここにいないかな?流石にいないか?


その後も散策したりモンスターと戯れたりと、二人でデートを楽しんでいく。

途中のショップでは、お土産にキーホルダーやぬいぐるみを頂戴しておいた。


アトラクションが動いてないのは残念だが、大きな滑り台で二人で子供の様に遊んだのは楽しかったな。


その後、お弁当を食べる場所を探していると、大量の気配を感知した。

透視で気配を感じる所を見てみると、蜜蜂の巣なのか?大きくなった蜜蜂が大量に飛び回っている。


モンスター化していなくても近寄りたくないのに、あれは嫌だな。

でもテイム出来れば拠点のリンゴの木の受粉を任せられるかな?


何種類かのリンゴの木を植えてあるから、蜜蜂が受粉をやってくれるなら助かるのだが。

いや、一体二体では無理だし、何百体もテイムしたら魔力が無くなってしまうな。


受粉は魔法で何とかするとして、あれは倒してしまうか?待てよ…テイムしなくても次元空間に入れておけば、大人数のグループと敵対した時に使えるかな?


保険の為に戦力として確保しておこう。

巣ごと新しく創った次元空間に移しておいた。

見かけた花も移しておいたので、たぶん大丈夫だろう。


蜜蜂を排除したら、この周辺にはモンスターはいないみたいだな。

ここで昼食にしよう。


レジャーシートを敷いて二人で隣り合って座る。

未来がアイテムボックスから弁当を取り出し並べていく。

おおっ!旨そうだな!


「「いただきます!」」


玉子焼きから食べてみる。

旨い!俺好みの仄かに甘い味付けが最高だな。


「これ旨いな!」


未来が嬉しそうに

「頑張って朝から作ったんだ!喜んで貰えたなら、これからは料理ももっと練習していくね!」

と言う。


未来が作ってくれたのか。

こんな美味しいのを準備してくれるなんて嬉しいな。

すごく美味しいよ、また作ってくれるなら期待してるね!と言うと嬉しそうに頷いてくれる。


未来が可愛すぎてヤバいけど、弁当を食べていく。

マジで旨い!作り手まで美味しくいただいてしまいたいが、今は料理だけで我慢だな。


弁当を食べ終り、まったりとしていると未来が今にも寝てしまいそうだな。

少し寝とくか?と聞くと、頷いている。


早朝から弁当を作ってくれて、午前中はモンスターとかなり戦っていたので疲れもあるのだろう。

次元空間に以前使っていたプレハブ小屋を出して、ベッドに未来を寝かせる。


俺も隣に横になると、未来がしがみついてくる。

そのまま好きにさせていると、イヤイヤ!寝るんじゃないの?どんどんと体をまさぐってくる。


「眠たいんじゃないの?

少し寝てて良いよ?」


「完全にふたりっきりなのに勿体ない!」


眠気は覚めているようだ。

良いの?我慢できないよ?


まだ昼も過ぎたばかりから、二人で楽しんでしまいました!

未来可愛い!最高!とても良かったです!!

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