雫と梓が王国から出発し、ヤマト和国についたころ。
「ここがヤマト和国かー。周りの人は全員着物を着ているね」
「そうだね。私たちもあんな物着てみたいなー」
ヤマト和国ははるか昔の勇者たちが作ったとされる国で、その勇者たちは日本の昔の文化が好きだったらしく。建物や服装を江戸時代当たりのもので統一したらしい。
ただ通貨に関してはめんどくさかったらしく、この世界の通貨のままだった。
この国ではこの世界では珍しく、米を主食としているらしい。
「とりあえず宿とかとって、今日はゆっくりしようか」
「そうだね。ボクはもうへとへとだよ」
その会話の後、無事に宿をとった雫と梓は、その日はゆっくり休んだ。
次の日から国のギルドにより討伐依頼を受け、お金を稼ぎ、ゆっくり暮らしていた。
ヤマト和国が意外と居心地がよく、司を探すという本来の目的を忘れている。というわけではなく、この国の人々と交流を図り、司についての情報を集めていた。ただ司はこの国を訪れなかったので、情報はあまり集まらなかった。
2人はこの国で情報を集めるのは難しいと判断し、この国を出ていく準備を整えていた。
とうとう出発!という日に2人に用事があるという人が訪ねてきた。
「やあ。私はリーフ。ダーリ…んん!司についての情報を知ってるんだけど」
「「本当ですか!」」
訪ねてきたのは言わずもがな、龍のリーフだった。
「別に教えてもいいんだけど、君たち弱すぎるね。司のもとに行っても手伝えることはないし、むしろ邪魔だね」
実際に昔の司は強かったことを知っていた2人は、時間がたった今、さらに強くなっているという事実に特別驚くことはなかった。
「そんなのわかってます。でも、ボクはお兄ちゃんのところに行きたいの」
「雫に同じく、私も司君と会いたいです」
「やっぱりそういうと思ったよ。だから私を派遣したのかな?私は司を除くと一番強いから」
そう。リーフはただの龍ではなかった。
名前:リーフ(龍種の祖)
種族:古龍神
レベル:9999
体力:23000000000
魔力:300000000
素早さ:4500000000
スキル:爪術レベル10:神化:闘術レベル10:ドラゴンマジックレベル10:龍化:属性武装:闘気流:無属性魔法:全属性魔法:古代魔法:古典魔法
コード:エンシェントドラゴン
加護:古龍神の加護
爪術:爪を用いた技を使える。
神化:神になる
闘術:肉体戦時、ステータスが2倍になる殴る蹴る関係の技が使えるようになる。
ドラゴンマジック:ブレスなど
龍化:人の姿から龍の姿になれる。また、龍の姿から人になるときもこのスキルを使う
無属性魔法:マジックミサイルなど単純な魔力で攻撃する魔法
全属性魔法:概念として存在するすべての属性の魔法を扱える。無属性は属性がない扱いのためここには含まれない
古代魔法:今はない魔法
古典魔法:概念として存在していた魔法
以上がリーフのステータスである。このステータスからわかることは、リーフは近中遠でスキがないステータスとなっている。龍種が誕生してから数えられないくらいの年月が経っているため、このくらいできても不思議ではなかった。
「それで、ボクたちはこれからどうすればいいの?確かに君は僕たちより強いみたいだけど」
「そうです。私たちは早く司君に会いたいんです」
「えーどうしようかなー」
リーフは司に頼まれてここに来たのだが思ったより2人がかわいかったので少しからかいたくなったようだ。ニヤニヤしながら「えー」とか「やっぱりなー」とか言ってる。
ただ、リーフは司に嫌われたくないため、これ以上からかうことをせずになぜ雫と梓に会いに来たのかを話し始めた。
「フーン。司君は生きていて、王国と戦争をするつもりだから王国側につくのかの確認と、司君につくなら君が強くしてくれる。と」
「正直信じがたいんだけど。あなたがお兄ちゃんとかかわっているという証拠はあるの?」
まあさすがにいきなりこんな話を聞かされても、信用できないだろう。もちろんそのことも見越していた司は、リーフにあるものを渡していた。
「これで信用してくれるかな」
そういってリーフが取り出したものは、シュラーケンとヴァンナーだった。ちなみに、リーフは手ぶらだったため空間魔法を使って収納空間から出した。これは古典魔法のスキルによって成し遂げられたものだ。
「これって。お兄ちゃんの銃?!」
「本当?!確かに司君の気配がする」
なんと、雫と梓は司の気配がどんなに少しでもわかるらしい。ならなぜ司の居場所がわからなかったのか。不思議でたまらない。
「確かこれって、司君の力で司君が認めた人以外が触れると、電流が流れたり、グリップから棘が出て来て、その先から毒がピューって出たり挙句の果てにメテオを降らせるって聞いたけど」
悲報。司。過剰な防衛機能をつけていた。もちろん今まで作ってきた道具すべてにその機能をつけていた。これまで盗んだ人はいなかったが、盗んだ人はもれなく三途の川を渡ることになるだろう。
「そうなの?まあ、とりあえずこれで司と面識があってしかも敵対しているわけではないってわかってくれたかな?」
「確かに、これは認めざるを得ないね。それで、お兄ちゃんと敵対するかしないかって話だよね」
「そんなの答えは一択じゃないですか。もちろん」
「「お兄ちゃん(司君)と一緒にいたいです!」」
わかりきっていたことだが、雫と梓は、司と一緒にいたいという意思を示した。
・・・気のせいだといいが、リーフから一瞬どす黒いオーラが出ていたような。
新たなライバルの誕生に思わず出してしまったのだろう。このままだと雫と梓はリーフに〝ピー〟されてしまう。二人とも逃げてぇ!超逃げてぇ!
雫と梓はその気配を察したらしく、若干後ろに下がっていた。
2人とも危機察知能力が高いようだ。
「それはさておき、私が司から頼まれたことは一つ。君たちの強化だ」
「…は?」
「…ふ?」
惜しい。「は」の次は「ひ」なのだが。「ふ」と言ってしまった。雫はこの空気にきずいていない。梓とリーフが「あー」という顔をして雫を見ている。微妙な空気が流れた!
「んんっ!それはさておき。私が君たちを強くして進ぜよう。崇め奉れ」
リーフは、ここぞとばかりに、課題を与えてくる偉大な師匠みたいな態度で提案をしてきた。
もしかしたらリーフはボケの才能があるかもしれない。
「わかった。ボクは君の特訓?を受けるよ」
「私も受けたいです」
雫と梓はノリノリの様子で提案を受けた。果たしてこれから二人はどのくらい強くなるか。リーフはのりのりだ。
「じゃあ最初に君たちの職業からかな?ちなみに私は龍人って種族で職業を持たないから無職かな」
本当は古龍人神だが、誤差だと思って言っていない。一様神と人で同じ「じん」でも結構意味、というか格が違ってくるのだが。誤差らしい。誤差ったら誤差なのだ。それ以上でも以下でもない。
「そうだね。ボクは一様刀剣士をらせてもらってるかな、武器は刀を使ってるよ」
「私は回復士です。武器はアサシンナイフです」
梓さん。職業と武器が合っていない。リーフさんは若干引いた。何こいつ。武器が暗殺者向けなのに職業がなんか聖人っぽい。こいつはどこを目指しているんだ?と。
「私は自衛のためにアサシンナイフを持っているだけです」
「騙されないでリーフさん!梓は練習の時、いつの間にか背後にいるタイプの人だから!」
この梓っていう人はホントに大丈夫だろうか?職業がいつの間にか回復士から暗殺者に代わってそう。というか回復ができる暗殺者って怖くない?どんなにけがをしても無傷で何度も襲ってくる。こいつほんとに強くする必要あるかな?ほんとは必要ないんじゃない?
以上リーフの0.1秒の思考である。表情に出ていたのか、雫が同情の顔をしている。
まるで、僕も梓を強化する必要はないと思う。模擬戦した時も、正面にいたはずなのに、いつの間にか背後にいるんだよ。起用に正面に分身的な奴を残したまま。今からでも梓だけでもやめない?そうしよう。それしかないよ。と言っているようだ。
この先が心配になるリーフであった。
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