恋なんてしなければよかったのに

名無し

プロローグ

【恋】異性に愛情を寄せること、その心。恋愛。

人はこの世に生を授かり1度は恋をするだろう。

俺、山下 純平やました じゅんぺいは高校生になり初めて恋をしている。俺の高校生活をめちゃくちゃにしてくれた奴に。そして俺は知っている。この恋が簡単に叶わない事も。



時刻は七時三十分俺は音楽を聴き、バスに揺られながら学校近くのバス停に到着するのを待っていた。

 そして三十分ほどたつと俺はいつものバス停につき友達に挨拶する。

「おはよう、龍之介」


「おはよう、


 こいつは松木 龍之介まつき りゅうのすけ。俺と同じ中学出身のオタクかつゲーム仲間だ


 そしてと呼ばれたのは俺だ。このあだ名は俺の名前である純平から来ていてかれこれ十年近く呼ばれ続けている。


「それにしても眠そうだな」


「夜遅くまでゲームやってたからね」


「そうなんだ。何のゲームやってたの?」


「CPEX」


「初めて聞いた。どんなゲームなの」


「PS4でできるFPSゲーム」


「FPSか~面白そうやね」


「スキルとかいろいろあって面白いよ。最近の寝不足の原因CPEXのランクのせいだし」


「龍之介がそこまではまるゲームならめちゃくちゃ面白そうだな~」


 そんな他愛のない話をしながら俺らは靴から校内用のスリッパに履き替え教室へと向かった。



「キーンコーンカーンコーン」とチャイムが鳴り担任の先生が入ってくる。


 「おはようございます、皆さん」先生は挨拶をして周りを見渡し欠席の生徒がいないことを確認すると話をつづけた。


「皆さんが南波高校に入学して一週間が過ぎました。この学校にはなれましたか?」


「さて、ここからが本題です。この一週間で皆さんは色々な部活や活動を放課後見る機会があり、お誘いなども受けてると思います。その中から皆さんが入りたいと思った部活や活動はありましたか?」


「そして今から渡すのは入部届のようなものです。このプリントには各活動の担当の先生の名前が書いてるので入りたいと思ったものがあれば、名前を記入して担当の先生に提出してください」



 先生が話を終えると、ホームルームの終わりをつげた。俺は先生がいなくなるのを確認すると龍之介の元に移動した。



「龍之介は部活とか入るのか?」


「ん?俺は卓球部入るつもり。じゅんじゅんは?」


「俺は悩んでる」


「うちの高校、色んな活動あるもんな」



 俺たちの通う県立南波なんば高等学校はおそらく専門高校という分類される高校だ。1-1や1-2といったクラスの概念はなく三つの学科に分かれてる。


 A科と呼ばれる〈食品の生産を学ぶ学科〉 F科と呼ばれる〈食品の調理を学ぶ学科〉 L科と呼ばれる〈介護や保育といった生活にかかわる学科〉この三つに分かれているため部活以外の活動も盛んなのである。


「まぁ、正直な話すると多分バスケ部に入るとは思うけどね~」



 それから時間は少し経ち放課後を迎え、俺は一枚の紙を手に持ち職員室の中である先生と話していた。


「バスケ部の入部届ちゃんと受理しました」


「ありがとうございます。これからよろしくお願いします!」


「はい、よろしくね。急にはなるけど、山下君は今日体操服と体育用のシューズはあるかな?」


「授業があったのでありますけど」そう伝えると先生は立ち上がり「なら今日から軽くでいいからバスケ部の練習に参加してみようか」と言い俺を連れて体育館へと向かうのだった。

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