はいぱーぎふてっど

@soraruri

ノーギフテッド

 わたしには音楽の才能がないことは最初からわかっていた。


 それでも抵抗するように奏で続けた。


 けれど、後から始めた人間にどんどん追い抜かれていった。


 何度も現実から突き放される。それでも抵抗した。


 だけど、無理なものは無理なのだと気付かされる日は訪れて。


 技術だけではない何かが存在し、その何かに気付けない、理解できない時点で才能がないのだと言い聞かせる。


 音で奏でることを諦めたわたしは、今度は文字を奏でる。


 この物語は、もう少しだけ続けられそうな気がする。

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