第28話 メルの服
「おぉ...かっこいい」
店員に見せられたそれは、不思議と俺の心を魅了した。恐らく3~4mほどの長いマフラー。胸元に深海の様なネイビー色のリボンがある、フード付きのローブ。ローブは裾や袖等の端の部分が一直線の金色になっている。最後にメルが履けば膝より短いであろうミニスカート。全てが漆黒を基調とし、ローブに入っている金の線とリボン以外は、多少違いはあれど基本的に黒で出来ている。
『鑑定』
◇◇◇◇◇◇◇
常闇のマフラー
効果 気配遮断 使用者と共に成長する
常闇のローブ
効果 急所突き 使用者と共に成長する
常闇のスカート
効果 軽業 使用者と共に成長する
◇◇◇◇◇◇◇
(これは中々良いのでは...?)
性能も見た目も相当な物だ。
「メル、この服何かどうだ?」
「...ゆーたは似合うと思う?」
「え、俺?あぁ、是非着て欲しいな」
「そっか...あでも、これって結構高いんじゃ...」
「確かにまだ聞いてなかったな。これは幾らだ?」
俺は店員に尋ねる。
「こちらは少々高く、金貨3枚となっております」
「金貨3枚!?」
メルは驚いて叫ぶ。だが、金貨3枚か。丁度
ディアナ様から貰った金貨も3枚だったな...
(これも何かの縁なのかもな)
「よし、買おう」
「そーた!?」
「まぁ、平気平気」
俺はメルを窘めながら、店員に金貨を渡す。店員は素早い手つきで商品を畳む。
「梱包等は必要ないから、そのまま渡してくれ」
「了解致しました。またのご利用を!」
俺達は店員に見送られながら店を出る。
「さて、そろそろギルドに向かおうか」
「....ん」
メルは少しだけ不満そうに、けれど微かに
嬉しそうにこくんと頷く。
◇
俺はギルドの扉を開けて、一先ず依頼を確認する。
(何気に1回も依頼を受けて無いし、1個受けてくか)
俺は依頼用紙を1枚剥がし、やっぱり今日も居るサリナさんの元に向かう。
「サリナさん、この子の登録をしたいんだが」
「はいはーい。こちらに記入をお願いします」
サリナさんは俺の時と同じ紙をメルに渡す。メルは偶に手を止め考えながら書いていく。
「そーた、特待試験って何?」
「あー、強い人と戦って、強さが認められたら最初っから高いランクで登録出来るんだ。受けてみたらどうだ?」
「分かった、受けてみる!」
メルは特待試験の項目に丸を付ける。
「書き終わった!」
「はい、ありがとうございます。タリム様が依頼に行っているので、街に帰り次第試験を初めるので、なるべく毎日来て下さると助かります」
「分かった。メル、俺はまだギルドに用事があるから、これで適当に2人分の昼飯を買って来てくれ」
俺はメルに銀貨を1枚渡す。
「任せて」
メルは銀貨を大切に握り、ギルドを出る。
「それでサリナさん、この依頼を受けたいんだが」
俺は手に持っていた依頼用紙をサリナさんに
見せる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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