女子高は女の花園なんかじゃないよ?

 私の通う「聖友愛学園」はクリスチャン系の女子高。


 中学までは普通の共学だったのだけど、お父さんが変な虫つくの嫌がって高校は女子高しかダメだって。

 まあ、ドイツ人あるあるで頑固なのはうちのお父さんも同じ。

 そんな訳で私は仕方なく女子高に通うのだけど……



「唯奈、下着落ちてる!!」

 

「ん~、女どうしだから大丈夫よ~。私アレの日だからキッツいのよねぇ~。あ、ナプキン無くなってる。誰か貸して!」


 目の前を誰かが投げたナプキンとタンポンが飛んで行く。


「あー、私タンポン使った事無いから返すわ~」


「え~、こっちのほうが楽なのに~」


 教室では足を開いてスカートの中が見えの座り方をしていたり、蒸し暑い時期だからスカートのすそを持ってパタパタしてるもいる。

 勿論、中は丸見え。

 しかもあのは黒の下着を穿いている!! 



「なんか女子高のイメージと違う。小さい時にドイツにいた頃の女学生はもっとおしとやかだった」


「え~? そうなの?? まぁ、日本の女子高って言ったら男子の目が無いからこんなモノよ?」


 唯奈はそう言って立ち上がってトイレへ行こうとする。

 するとそれにつられて数人のたちも一緒にトイレへ行く。


 何故か日本の女子はトイレに行く時一緒に行きたがる。

 とは言え、私も付き合いなので一緒に行くけど。


 そしてトイレは学校の中で唯一ゆっくりと鏡の前に居られる場所だから、用を済ましてからが長い。

 ちなみにこの学校のトイレは洋式なので助かる。



「それでさぁ、加奈子ってとうとう彼氏とやったったんだって~」


「マジ? 加奈子って彼氏いたんだ?」


「裕子はパパ活してるって噂だよ?」


「え~、私はおじさんはパス~」



「ところでさ、美津葉って外人で男の人の知り合いいない? 紹介してよ!」



 鏡の前で前髪のチェックしたり、目立たないリップ塗ったりと誰に見せる訳でもないはずなのに余念がない。

 そしてこういう時は必ず私に外人のイケメンを紹介しろって言ってくる。


「私が誰か紹介して欲しいんですけど……」


 私がそう言うと、いっつもみんな不思議そうにこちらを見る。



「美津葉って彼氏いないんだ?」


「美津葉ならすぐに彼氏できるんじゃない?」


「その容姿で何で彼氏いないのよ?」


 

 大体いつもこんな会話だ。

 私だって彼氏作ってイチャイチャしたり、もっと踏み込んだ事して見たいと言うのに。


「まぁまぁ、美津葉は私の嫁だから他の男にはやらん!」


「「「きゃーっ♡ 禁断愛よぉ~♪」」」


「唯奈、いっつも言ってるでしょう? 変な誤解を招くからそう言う事言わない」


「でも美津葉だって体が寂しがっているんでしょ?」



 むにゅっ!   


 

「ひゃぁっ!!」


「お、やっぱり前より大きくなってる」


「まじまじ? 私にも触らせて!」


「あ、ずる~い、私も!!」



「こ、こらぁ! 服の中まで手を入れるなぁッ!!」



 日本の女子高ってぜったいに変だよ。   

 誰よ、女子高って女の花園だなんて言ってるのは!?



 はぁ~、女同士でこんな事しないで彼氏作ってやってみたいぃぃぃっ!!

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