雨宿りは君の香り

偶然を装って入ったバス停

貴女の香りが深く満ちる

生まれたての子鹿みたく

震える足で確かめたいのは

忘れたくない貴女の香水


もしもそれが何かわかったなら

きっと忘れもしないだろう

いつからか止んだ雨

走り出す貴女の後ろ姿に

恨めしく空を睨んだ僕


微かな残り香が

僕の鼻腔を擽った

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