十二夜

差し出した恋心は

愛情になって帰ると

劇中の男は何も疑わず

その偽りを愚直に語る


涙目の女は「違う」と

差し向けた愛をの全てを

涙と共に飲み込んで

報われない恋路を語る


これが男の隣にいる為の

空事の報いならばと

吐いた嘘に嘘を重ね

恋慕を殺して忠誠を捧げた


「こんな事あるのかな」

座席の隣で無垢に笑う君は

私の味方で一番の悪友

そして密かな想い人


「さぁどうかな」

君に彼女ができた時から

私の叶わぬ願いは潰えてる

この甘美な喜劇の今だけは

私のモノであって欲しいの

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