豆は賞・第二回さいかわ卯月賞編【前書き・オーナー編】

 お客さま、お久しぶりですね。ママがお店にいるときにはいらして下さっていたでしょう? 聞いてますよ。どうぞどうぞ。

 頂いたメークイン、肉じゃがにしたら沙樹さんに大好評で、ありがとうございました。今日は、ママではなくて、オーナーに会いにいらしてくれたのですよね?

 はいはい、第二回さいかわ卯月賞のお話ですよね?

 だから、お酒じゃなくてこちら、ソイラテを。

 お通しはね、こちら、あんぱん。はい、お品書き。そうですよ、こんなにあるんです。

 今回のお題、『春』といっしょです。

 ふつうに捉えるのか、視点を外すのか、それとも。書き手さんの腕の見せ所ですよね。


 お客さまの『春』、とてもよかったですよ。

「これもチャーハン、あれもチャーハン! チャーハン特盛!」 ってママが叫んでましたから。

 だから、ママと、それからうみべさんにもね、特上かに缶詰で作ったカニチャーハン、お出ししましたよ。喜んで頂けてよかったです。

 ああ、お客さまも食べたいですか、カニチャーハン。なら、お話が終わったら作りますよ。


 それじゃあさっそく。

 はいはい、お客さまの『春』は、普通に『春』すぎたかも、ですか。

 大丈夫ですよ。奇をてらったりしていなくて、逆によかったんです。

 『春』をテーマに、なんですから、そこを外さず、さらに、書き手それぞれの『春』を見せて頂きたかったんですよ。

 今回、お客さまはそれをきちんと書いていらした。素晴らしいです。

 ただ、今回はね、その上でさらに、ご参加者の皆さんの『春』がすごかったのですよ。


 ……ね、お出しした、木村屋さんの酒種あんぱんも、そう。

 わたしもね、春と言えば、の桜味をたくさん購入したのですが、いつの間にか、在庫が消えていましたよ。不思議ですよね。

 お花見の時期もそのうち、と思っているうちに桜が散ってしまいます。

 でね、これです。

 桜、小倉、けし、うぐいす、白、チーズクリーム、珈琲、高知ゆず、完熟バナナ。とりどりでしょう?

 ああ、珈琲にされますか。なら、はい、新茶に、桜添えです。

 きれい、ですか。ありがとうございます。

 ええ、ママがね、桜あんぱんの桜だけ外してお客さまにお出ししたって聞きまして。

 こういうね、ふとした『春』。これがいいなあ、って思ったんですよ。


 どうぞどうぞ。

 なんとなく、お分かりになりました? ええ、お客さま、回数を重ねるごとに力をつけていらっしゃいますからね、また次回も、お待ちしておりますよ。


 だからこそ、お聞きになりたい?


 ああ、第二回さいかわ卯月賞、豆ははこ特撰。豆は賞ですよね。いいですよ。今日が発表日ですから。ただ、もうしばらくは秘密ですよ。まだ、わたしとママしか知らないのですから。


 それでは、お耳を拝借いたしまして。


 いまお話しました、素晴らしい『春』たちの中でも、わたしがいちばん好きな『春』をお教えしますからね……。





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