第70話 お題【創世のミイラ】【血染めの】【牢獄】

 その牢獄は以前から存在している。

 二十年そこらではない。

 何千万もの大昔からずっとあるのだそうだ。

 見たところ特に修復工事も入っていないようだが、良く保っているものである。

 その中で、ミイラが一体横たわっていた。

 何故か風化せず、悪臭すらせず、そのまま安置されている。

 保管状態は大変良い方だ。

 それは、創生のミイラと呼ばれている。

 それを見守るかのように、墨を流した空には血染めの月が一つ、ぽっかりと浮かんでいた。

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