第38話 お題【朽ちた陶磁器】【黄金の山】【閉じる】

 暗闇が垂れ込めた血の海に向かって、朽ちた陶磁器の欠片が少しずつ降り積もってゆく。

 息を潜めて降り積もる白雪のように。それはやがて小山となり、次第にうず高くなってゆく。減ることを知らない骸の残骸のようだ。

 閉じる我が瞳の裏に映り込んでくるのは、かけがえのなき黄金の山。

 それは紛うことなき永遠なる生命の輝き。

 風に吹かれ儚く揺れ動き朽ち果ててゆく様は、まだ見ぬ愛しき子らへ聞かせるための子守唄の調べのよう……。

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