第9話 お題【黄金の食べ物】【魔法の故郷】【気が変わる】

「さあさ、お嬢ちゃん。これを食べてごらん」

「ねぇおばあちゃん、これ、食べ物なの?」

「そうさ。とっても綺麗だろう?」


 黒いマントから伸びた皺だらけの掌に乗ったものを見た少女は、目を真ん丸にした。金色に輝く楕円形の形をしている。この老婆はこの黄金色の食べ物を口にせよと言うのだ。


「これがあの……?」

「そうだよ。あんたの故郷、魔法の故郷へ向かうには、これを体内に入れる必要があるのさ。さあ気が変わる前に……」

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