天使の悪魔

@mulu0809

第1話

僕はひどい虐めに遭っていた。殴る蹴るは日常茶飯事。手をカッターで刺されたときもあった。


「死ねっ!お前なんかがいてもなんにもならないんだよ!」

「邪魔だから消えろ。」


傍観者の奴らは哀れみの目でこちらを見てくる。家族や学校の先生にも助けを求めた。

家族には「男なんだから我慢しろ!大したことじゃないだろ!」

学校の先生には「注意しておくね」それだけ言われて結局何も変わらなかった。

不登校も許してくれなかった。

僕はそのうち気が狂うようになった。

家のものを壊したり、酷いときには自分の肉を食べたこともあった。


そして、気づいたら屋上にいた。

ここから飛び降りれば楽になる。そう思った。だけど、僕はそんな性格がいいやつじゃなかった。

できるだけ、できるだけあのクソ家族が一番困る、そしていじめてきた奴らが一番被害にあう死に方をしてやろうと思った。


すると、昔、先生に話してもらったことを思い出す。


「自殺なんてしないと思うけど、自殺したときに一番迷惑がかかるのは電車に轢かれて死ぬことだよ。電車の修理代もかかるし、それを見てしまった運転手にも精神的被害がかかる。だから、それが一番親として困る死に方だよ。まぁ、そんなことはしないと思うけどね!はっはっは!」


「これだ。」

僕はつぶやいた。一番迷惑がかかる方法。これで死んでやろう。俺をいじめた奴ら、助けてくれなかった奴ら、全員が苦しめばいい。

「はは…あはははは!」


そこから行動に移すのは容易だった。

文鎮と紙を用意して紙にさっき考えたことを書くだけ。


「市立直江津高校のいじめてきた奴ら、並びに、助けてくれなかった先生や、親へ。

もう僕は限界です。自分の肉を食べたこともあったし、そろそろ自制ができなくなってしまっています。そんな僕を自分自身で止めるため、ぼくは自殺を決行します。さぁ、苦しむがいい!僕はもう止まらない。いじめたことを後悔するんだな。」


手紙を書く。いつもの3番線のホームに向かう。清々しい気分だ。今からあいつらに復習ができる。いじめられっぱなしの僕じゃない。生まれ変わるんだ。逆にいじめてやる存在にな。この命を懸けて!


途中でいじめてきたやつに出会う。

「おい、ブス、どこに行くんだ?そんな間抜け面して。ついて行ってやるよ。」

「お前聞いてんのか?ああ?」

今ではこいつらの言葉も聞こえない。

途中で後頭部を殴られたが、もう死ぬと思っている僕は無敵だ。

奴らは結局ホームまでついてきた。

「無視すんなよ。友達だろ?」

虫唾が走る。誰がこんなやつなんかと友達なんだよ。ふざけるな。

最後の怒りがこみ上げてくる。

『電車が参ります。黄色い線より下がってお待ち下さい。』

アナウンスが流れる。一番前のホームへ行く。

いじめっこはここまでついてきたが、僕は後ろの人に手紙を渡す。

「これをよろしくお願いします。」

「え?」

次の瞬間、僕は線路に飛び出して、笑顔で電車に轢かれるのであった。

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