第8話

「今塚さん」

わたしは商店街の中にある喫茶店で

今塚さんとおちあったの。

「藍佐ちゃん」

今塚さんは元気に手を振っている。

手も足もある。

とても幽霊とはおもえない。

「今塚さん、こっち、こっち」

わたしは自分のテーブルに今塚さんを

誘導したの。

「藍佐ちゃん。もう会えないかと思った。銀行のキャッシュ

カードは?」

今塚さんはテーブルにつくなり、そう

いったの。

「今塚さん、あなた結婚詐欺師?」

わたしは少し涙ぐんでいた。

「いや、そっ、それは」

「信じていたのに、好きだったのに」

わたしは使い古しのポイントカードを

今塚さんにたたきつけてやった。

「あっ、銀行のキャッシュカード」

「さようなら、もう二度とお会いしません」

わたしは夜の街に飲み込まれていった。。

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