368 夕飯は『エビチリ』と『かに餃子』
アメリカンドッグの香ばしい香りが漂う中、子供たちの満足げな笑顔を見届けた俺は、すぐに次のミッションに取り掛かることにした。
夕方に差し掛かり、キッチンには活気が戻ってくる。
嫁のリッカ、そしてエリクスとチャリオットが揃い、今日の夕飯の支度を始める時間だ。
俺たちが腕を振るうメニューは、『エビチリ』と『かに餃子』。
どちらも豪華だが、子供たちにとっても特別な一日を締めくくるにふさわしい料理だ。
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リッカがエプロンをつけながらこちらに微笑む。
「今日はエビチリを担当するわ。あなたはかに餃子、お願いね。」
エリクスが軽くストレッチをしながら
「俺、下ごしらえ手伝うぜ!」
と意気込んでいる。
チャリオットも真剣な表情でうなずくと
「私も包丁で下ごしらえを手伝いますね。」
と張り切っている。
「じゃあ、全員で手分けしてやるぞ。」
俺は気合を入れ直し、まずは材料を願って出すことにする。
「いでよ!エビ、かに、そして餃子の皮や調味料一式!」
いつものように、ぽんっという音とともに、テーブルの上に必要な食材が並ぶ。
新鮮なエビに殻付きのカニ、餃子の皮、ニンニクや生姜、豆板醤、そして各種調味料まで、全てが揃った。
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リッカはエビの下処理を始め、俺はカニの身をほぐす作業に取り掛かる。
エリクスとチャリオットもそれぞれ手元で野菜を刻んだり、餃子の具材を混ぜ合わせたりと、慣れた手つきで進めていく。
リビングの方からは、子供たちの笑い声が聞こえてくる。
どうやらお気に入りの番組が始まったようだ。ライト、ユミナ、マチルダ、アマンダ、そしてリューがソファに座り込み、テレビを見つめている。ユーミルもリビングの片隅で、のんびりと彼らを見守っているようだ。
「嫁ちゃん、こっちはもう下ごしらえ、ばっちりだよ。」
ユーミルがキッチンの方へ声をかけてくるが、やはりユーミルらしい言い回しで軽妙だ。
「サンキュー、助かるよ。」
俺は笑いながら返し、かに餃子の具材を手際よく餃子の皮で包み始める。
(やっぱり兄貴の皮包みはいつみても神業)
(麗人さんはやはりすごい人)
(あー、女神さま…いいですねぇ)
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一方、リッカは豆板醤を効かせたエビチリのソースをフライパンで煮詰めている。エビが赤く色づき、香辛料のスパイシーな香りがキッチンいっぱいに広がる。その香りを嗅ぎつけたエリクスが
「これ、絶対うまいやつじゃん!」
とテンションを上げている。
俺も餃子をフライパンでこんがりと焼き目をつけ、その後、蒸し焼きにして仕上げる。リッカのエビチリが完成するのと同時に、俺のかに餃子も程よく蒸し上がり、香ばしい香りを放ち始めた。
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「さあ、そろそろ盛り付けて、みんなを呼ぼうか。」
俺はリッカと視線を交わし、出来上がった料理を丁寧に皿に盛り付けていく。エビチリの艶やかな赤色とかに餃子の黄金色の焼き目が、食卓を鮮やかに彩る。
リビングに声をかけると、子供たちが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「ぱぱりん、いい匂い!」
とマチルダがはしゃぎ、アマンダも
「トト様、これすごくおいしそうです!」
と瞳を輝かせる。
リューも控えめに
「父上、期待しています。」
と言いながら椅子に座った。
メセタとミルドレシアもやってくる。
「いい匂いであるなぁ」
「うん!いい匂い!美味しそう」
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俺たち家族が揃った食卓は、今日もにぎやかだ。食べる前のほんの一瞬、みんなの笑顔を見つめながら、俺は心の中でこう呟いた。
――今日も、幸せだな。
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