88 日曜日の朝、受け渡し当日
そして夜も更けて朝となる。
朝食を食べ終え
外で収穫を行い
コンテナに収穫物を入れて
家の玄関前に持っていく。
今回から前回の空きコンテナと交換する形をとる。
そうすることで収穫コンテナを積んで
空きコンテナをただ回収するだけで完了するからである。
今後やり取りで野菜類コンテナの追加発生とか果物類コンテナの追加発生
または
この間から作って飲んでいる
『生ジュース』を試飲してもらうと思っている。
ガドガドという音が聞こえてくる。
魔導式蒸気機関の音である。
今日も、ゾニルフさんが自らやってくる。
「今日はよろしくお願いするよ……あー、それとこれ……ユーミルくんの吐き気止めだよ」
と言って約1月分を渡してくれたので
お礼を言う。
「いやいやたいしたことはしてはいないよ。『跡取りくん』の頼みだからね……断る理由なんてないのさ。私に出来ることならなんでも協力しようじゃないか」
(この人は本当になんて親切な御仁なんだろう)
と俺は思った。
コンテナを交換して
俺は
「今日は飲み物を用意してますから待っててくださいね」
と言って俺は家に入り
『生ジュース』を用意する。
「エリクスくん……『跡取りくん』は何か飲み物を今日は用意してくれているのかい?」
「はい!きっとゾニルフ会長さんもびっくりしますよ」
「そうなのかい?」
そして俺は『生ジュース』の入った取っ手付き瓶を3つ用意して
簡易テーブルの上にコップと一緒に置く。
ゾニルフ会長は目をキラキラさせ
「こ、こ、これは!?一体なんだね!?」
と言うので
「本日は『生ジュース』を用意しました。これはりんごと梨の2つを合わせた『生ジュース』です」
『生ジュース』と言う言葉にごくりと喉を鳴らすゾニルフ。
そして、コップを手に取り
注がれた『生ジュース』を飲む。
喉を通るとゾニルフには
まるで砂漠のオアシスの水を飲んでいるかのような幻想を見ていた。
「そこに『オアシス』がある」
俺は目をぱちくりさせ
「何処!?」
と言ってしまった。
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