第九章 才能
「オッサンの話によると、カニスは少しここから遠いらしい」
「へー」
どうやらあの道具屋のおじさんから情報は聞いていたらしい。僕達がマキシイに乗っていると前から何かが走ってきた。
「誰か人かな?」
よく見たらラクダのような動物だそこに誰かが乗っている。
「こっちに来たぞ!!おーい!」
比奈斗が誰かに叫ぶ。しかし近づいて僕達は異変に気づいた。あれは人ではなくラクダのような魔物に乗ったガイコツだった。
「何あれ!?」
「あれは……!スルナトじゃないか!?」
「あのラクダが!?」
「そっちじゃねーよ!?あとあのラクダは、『デザートキャメル』だ!」
「おいしそうな名前だね」
「呑気だな!おい!」
比奈斗は即座に戦闘態勢を取った。
「デザートキャメルは足が速い。だからスルナトが乗っていると此処で一番厄介な敵になる」
「だからデザートキャメルの足を折ればいいってこと?」
「ま、まぁそういうことになる……」
とりあえずファインを食らわせてみよう。僕はデザートキャメルに走って前足にファインをお見舞いした。しかしデザートキャメルは何事もなかったかのように立っていた。なんと傷一つもない。すると比奈斗が言った。
「デザートキャメルは火属性耐性が高いから気をつけろよ」
「遅いわ!」
僕はデザートキャメルに蹴り飛ばされた。僕は立ち上がる。とりあえず昨日購入した普通の剣を二本出して二刀流でデザートキャメルに走った。攻撃しようとしたとき、デザートキャメルに乗っていたスルナトが攻撃してきた。僕は一メートルほど飛ばされた。僕が距離を取って薬草を取り出して傷を治そうとしたときにデザートキャメルが猛ダッシュでやってきた。
ここはギリギリのところでよけてカウンターをくらわして、倒すところだ!
僕は横によけようと思ったがデザートキャメルが速すぎてデザートキャメルにつぶされた。その時に比奈斗の方向から岩の欠片が一気に飛んできた。
「なんか新しい技使ってない!?」
「スライジンを飛ばしたときに技の構想ができた」
「そうなんだ……」
「俺が後ろから援護する」
「分かった」
僕は普通の剣をもってデザートキャメルに突っ込んだ。デザートキャメルの上にいるスルナトが攻撃をしてくるときに比奈斗が撃った土魔法が当たってスルナトはデザートキャメルから落っこちて比奈斗が地面に穴をあけてスルナトが入った時に岩を三つくらい入れて粉砕していた。あれもう粉砕機じゃね?
そんなこと考えているうちにデザートキャメルが攻撃をしてきた。しかし僕はバックステップでよけた。
バックステップができたぞー!前回から悔しくてずっと練習した甲斐があったんだ!心の中でガッツポーズをしているとデザートキャメルが攻撃をして一メートルくらい再び飛ばされた。
「何しやがる!いいところだっただろ!」
「そんなことする暇があるなら戦えよ……」
*
結局デザートキャメルは比奈斗が倒した。
「比奈斗はなんでそんなに技があるんだよ?」
「それは魔物をたくさん倒してレベルが上がったからだろ?」
「もうちょっと僕にも技が増えてほしんだけど……」
すると比奈斗が僕に何かをパスした。水晶玉だった。
「計って見たら?ステータス」
「そうしてみるよ」
僕はステータスを図ってみた。すると前とはステータスが変わっていた。
Lv.6
HP 349
MP 133
攻撃力 42
防御力 32
素早さ 46
魔力 120
才能 炎系魔法(大)、風系魔法(中)、回復魔法(小)
特技
「なんか増えてる!?ヒミンク?あと才能が増えてる気が…」
「才能はレベルがあることによって増えたりするものなんだ」
「へー。ならヒミンクは風系魔法ってこと?」
「残念!!治癒でした」
「まじか」
才能って増えたりするものだったんだと思った。それは少し違う解釈をしてしまったことに気がつかなかった。あの時までは……。
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