スパイだって結婚したいッ

七七七@男姉

ミリンダ・セブンアップ・クヌギ

「ななな、なにッ…けけけ結婚ッ?!」


 その日その時、ここWIA(ワメリカ合衆国情報局)アイウエオ州支部部長ドナルド・コールドマンは、思わず椅子から転げ落ちました。


 一方、

 

「はい。この度、当局エージェント、私ミリンダ・セブンアップは晴れて結婚。で、ミリンダ・セブンアップ・クヌギとなりました。どぞよろしく」


 重厚なデスクを間に、すくと立ち尽くした姿。その長い髪色同様、ブラックスーツの若きクールビューティーが、コールドマン氏とは対象的に淡々と返します。


「あいや、結婚って…仮にもスパイ(本作では、エージェント=スパイとさせて頂きます)たる者が…」 


 ようやく椅子に復帰。こちとらグレーのスーツ姿の中年ダンディが、なにやら呟くように。


「…って、クヌギ? となると相手は…」


 

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