実はヒロインだった私が裏ボス令嬢だと発覚したので物語の改変目指します〜転生者にヒロインの座は奪われましたが、どうやらこの世界は乙女ゲーの世界らしいので、原作とやらの力で相手にギャフンと言わせたい〜

冬ノゆきね

プロローグ

 裏ボス――それはラスボス以上の力を持ち、主人公達を危機的状況に追い詰める真の敵である。

 類稀な才能を隠し、主人公達の身近にいる存在だったりもするが、その裏では状況を掌握し、操作していたりもする存在。


 でも、彼らは知らない。

 すべては原作通りであることを。乙女ゲーと呼ばれるこの世界で、その原作である絵の書物の通りに物事が進んでいるということに。いえ、今は裏ボスである私の意思ですべてが動いているのよね。

 そこらで商売している露店はもちろん王族の動向まで、実権はすでに掌握済み。

 あとはヒロインの座を……取り返すのみ。


 でもここまで長かった。

 そして私は、弱かった。


 これも今まで皆の力があってこそ。

 幾ら戦力を持とうが、知略を持とうが、野望を抱こうが、この人脈の前にはまるで無力。

 人脈こそ最大の武器であり、盾なのだ。


「これは……正規ヒロインだった私の物語」

「また独り言をぶつぶつと。ほんと変わらんな、お前は」

「また嫌味を言ったわね。いいわ、そんな暇なあなたに仕事よ。本来、私が立つべき場所にいるあの女の始末を――」

「仕方ない。しかしとうとうここまで来たんだな」

「ええ、長かった。けれど、この書物のようにはさせないわ。私こそ正規ヒロインであり、破滅を許さない裏ボスなのよ」

「準備は、整ったと……」


 そう、この場を持って準備は整った。

 

 この書物がある限り、私の敗北は決してあり得ない。


 もし、例の主人公達が私の前に立ちはだかるのならば、正々堂々お相手いたしましょう。

 それがこの書物に描かれた原作であり、神のご意思なのだとしたら。


 さあ、始めましょう。

 と、その前に、私がここまで上り詰めた数年の話をここに語ろうと思う。


 その方が原作遵守というものでしょ?


―――――――

初の女性主人公の作品を書かせていただきました。

一応、もともとは中編での物語を予定していましたが、少しずつ執筆はしてますので、長編になるかと思います。


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