すれ違い

ウィリアムはレオンの後を追い、リッフェルに向かった。そして、そこの冒険者ギルドで感染症が流行っていたこと、レオンが皆を治癒し、発生源も浄化してくれたことを聞いた。皆レオンを褒め称えていた。そして、肝心のレオンはというと、

「レオンなら、王都に行くって言ってついさっき行ったところだぞ」

「な⁉︎」

また一足遅かったようだ。

「……」

いつになったら会えるんだ‼︎

「しっかし、めちゃくちゃすれ違ってねえか⁉︎ これまたちゃんと会えるのかよ‼︎」

彼は僕の幼馴染の友人で侍従長をしてくれているライモンドだ。


「きっと会える‼︎ いや会うんだ‼︎」

僕が彼にこだわる理由はただ一つ、彼の素晴らしい魔法が見たいからだ‼︎


それにしても普通感染症が発生した場合、王宮に連絡が入るはずだ。しかし、少なくとも僕たちが出発した時点では、リッフェルでの感染症に関する連絡は入っていなかった。何となく、胸騒ぎがする。念のため確認しておいた方が良さそうだ…。

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