四物語

六散人

ようこそおいで下しました。

わたくし、当屋敷の執事バトラーでございます。


皆さまは、世に『百物語』なる怪談会かいだんえがあるのをご存じでしょうか。

座に集った方々が、次々と妖しき逸話を語り、百話語り終えた時には、怪異が生じるというものでございます。


しかし百ものお話を揃えましたれば、畢竟ひっきょう、嘘偽りが混じるのも避けられぬ道理でございます。

然らば今宵は、選りすぐりの四人の語り手の皆様にお越しいただき、嘘偽りなきまことのお話を、皆様の気紛らわしに供していただこうという趣向でございます。


これから語られる物語には、決して嘘偽りを混ぜることなく、くれぐれも真実のみを語って頂きますよう、語り手の皆様にお約束頂いておりますので、どうぞご安心下さい。

さて前置きが長くなりました。

それでは『四物語しものがたり』の始まりでございます。

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