お題【目覚める楽器】、【危険な】、【見つめ合う】
それは危険な賭けだった。
そんな状況で僕たちは見つめ合う。彼の瞳にはもう悪魔の紋章が刻まれていて、何もかもが手遅れだと語っていた。
それでも僕には希望があった。背負っていた荷物からリュートを取り出す。懐かしい楽器に彼の目が細められるのを、僕はちゃんと見ていた。
爪弾けば、目覚める楽器。その音色。悪魔に支配された彼を音が優しく包む。
「やめろ」
彼の言葉を無視して僕は弾き続けた。
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