お題【翼ある精霊】、【まぎれもなく】、【月】

月の夜、窓から差し込む月明かりを頼りに、部屋の床に召喚の魔法陣を描く。

望みを叶えてくれる何者かが、わたしには必要だった。この地獄から救い出して欲しい。

そんな気持ちで指先を切る。魔法陣の中央に赤が咲く。

現れたのは翼ある精霊。願いを伝える。逃げ出したい、と。

精霊はわたしを抱えて窓から飛び出した。

風が頬を髪をなぶる。それはまぎれもなく自由だった。先のことなど構わない。今だけあれば良い。

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