突然の来客は流行の陶磁器を持っていた。

作者が消えたことで最近ますます価値が上がっているのだという。自分にとっては知ったことじゃないけど。

「ようやく見つけました」

客の言葉に、首を傾けてみせた。客は陶磁器を裏返して底に掘られたサインを見せる。

「クレイ・S、あなたですね？」

「なんの根拠で？」

「話すと長くなりますが……」

追い返しても良かったのだけど、お茶を出して話を聞くことにした。

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