【200字小説短編集】小さく灯る

お題【海の龍】、【段々畑】、【牢獄】

段々畑から海を眺める。ぽつん、と島が見える。あの島は牢獄なのだそうだ。

昔々、海の龍が空に登っていった。龍は自分の強さを見せつけるために太陽を飲み込もうとしたのだ。

神様はそれに怒って、龍を海の中に閉じ込めた。そして上から重しを置いた。それがあの島だ。

だからこの辺りでは誰もあの島に近づかない。

あの島に行って、もしうっかり龍を解き放ってしまえば、龍は今度こそ太陽を食べてしまうと言われている。