お題【雪原の幻獣】、【幻の樹海】、【缶詰め】
缶詰め屋、と名乗る人に出会った。もちろん缶詰めを売っている。けれどその缶詰めは不思議なものばかりだ。
「これは雪原の幻獣の鳴き声の缶詰めです」
缶詰めは一回きり。開けたら終わり。だから試しに聞いてみることもできない。
迷いに迷って幻の樹海の鳥の声の缶詰めを買ってしまった。
家に帰って、さあ、というところで躊躇ってしまう。缶詰めを開けるのにもっと良い日があるのでは?
結局まだ、開けられないまま。
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