お題【偽の墓碑】、【世界を支える箪笥の中】、【缶詰め】

「偽の墓碑まで用意して、どうして逃げたんですか」

僕はようやく見つけた師匠に詰め寄った。師匠は困ったような顔で「こんなものしかないけど」と缶詰めを開けて中のビスケットを振る舞ってくれた。

「君だから言うけど、世界を支える役目があってね」

そう言いながら、師匠は背後の箪笥を軽く叩いた。

「この箪笥の中が世界なんだ。それを見守ってる」

師匠が引き出しを開く。そこには、確かに世界があった。

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