【200字小説短編集】小さく灯る

お題【純白の海獣】、【最も優れた浜】、【見かけ倒し】

その力を手に入れれば世界を統べることもできるという純白の海獣。最も優れた浜に現れるという、その曖昧な言葉からようやく見つけ出した。

純白の体に黒々とした目。その姿はあまりに神々しく、美しく、けれど儚く見えた。

「見かけ倒しか」

この手に、と海獣を打ち倒す。これで世界は俺のものだ。

空が俄かに曇り、波が高くなる。荒れ狂う嵐から逃げようとしたが、死んだはずの海獣に海に引きずり込まれた。