お題【幻のラジオ】、【喋ってはいけない図書館】、【黙らせる】

喋ってはいけない図書館で話し声が聞こえる。それを黙らせるのも司書である僕の役目だ。

靴音と紙を捲る音だけが響く館内を見回りながら静かに歩く。ふと、確かに人の話し声が聞こえた。

眉を顰めて声を追いかける。徐々に大きくなる声。

奥まで行って棚と棚の間に入る。おしゃべりが止んで、今度はひどく陽気な音楽が流れてきた。

その奥にあったのは幻のラジオ。手を伸ばせば音楽とともに消えてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る