お題【私の龍】、【ひと時の】、【からかう】
村から少し離れた滝壺に向かう。そこには私の龍がいる。私の、私だけの龍。
川を辿って滝壺に近づけば、水面から龍が顔を出す。そしてひと時の逢瀬を楽しむ。その顔を抱いて綺麗な鱗を撫でる。龍は私の首筋に鼻先をつける。
からかうように私の髪を乱す龍に笑い、私は覚悟を決める。今日こそ私は人の身を捨てて、この龍と共にいこう、と。
龍に優しく導かれるように、私は滝壺に身を投げた。
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