お題【純白の花嫁】、【古代】、【悔やむ】
逃げよう。
そう言ったけど、彼女は目を伏せて謝った。逃げてしまえば村がどうなるかわからない。
そんなのは知っている。でもそれよりも、彼女を失った後に平和に生きる方が、俺にはずっと耐え難いことだった。
彼女は古代の神に選ばれたのだ。これは村にとって大事な婚姻。純白の花嫁姿の彼女は顔を伏せていて表情はわからない。
その姿を見て悔やむ。やはり無理矢理にでも攫って逃げれば良かった、と。
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