【詩】冥界の花
冥界に咲く花は美しい
どれほど立派な人間も
この花には勝てまい
嗚呼、この花を踏みつけてしまいたい
そうすれば
一縷の希望も途絶え
絶望の世界に相応しい
本当の冥界が出来上がる
種を蒔いたのは誰だろう
否
一人でに芽が出たのかもしれない
罪滅ぼしの涙が落ちてゆく
奈落の底には人食いが居て
涙の持ち主を
誘い込む
迷いながら
道を歩き
ふと
道を踏み外したのだ
落ちて
喰われて
魂が花に生まれ変わって
妬み憎しみの対象になって
些細な希望になって
おそらくそれは
踏みにじられるのだろう
輪廻を繰り返し
永遠の牢獄の中を彷徨い
果てはいったい
何があるのか
無限に続く時間に
魂は擦れ切れ
無になり悟りを開いても
私は私なのだろう
嗚呼、できることならもう一度、この冥界の花になりたい……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます