【詩】あの日
何も見えない闇の中
光は何処にも無く
枯れ果てた心には
砂漠が広がっていた
魂が探しているのは自分の体
宙に舞う魂は
よりどころも無く
ただ彷徨っていた
百年の時が流れ
歴史は繰り返されようとしている
誰も望まない未来を
和解が出来ないままに
受け入れようとしている
人が作った兵器で人を殺める
無限に続く
憎しみの連鎖によって
また人を殺める
考え直さなければいけない
人が生きていくには
思いやりの心が必要なのだ
忘れてしまったその心を
いま一度
思い出さなければいけない
永遠のような夜
朝日を待ちわびて
立ち尽くす少年は
一筋のひかりを見た
魂は空に還った
地上にある無数の死体は
土に還った
魂は双子の兄弟である心を
置き去りにするしかなかった
空から見下ろす地上は
砂漠のような光景だった
最後の一人になった少年は
少女を探していた
新しい物語の始まりを期待しながら
ようやく、と
少女の手を握ると
少年は手を引いた
そこには
かじられた林檎が落ちていた
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