幸運集めのフォークローバー 23

 納得したように言ってから、孝慈がたずねる。

「ところで先生、明日って、用事あります?」

 先生はそれを聞いて眉をひそめた。

「俺の用事? 明日は……いや、用事か……」

 先生はぶつぶつとつぶやく。

「あるっちゃあるし、ないっちゃない」

「具体的に教えてくださいッス」

「――あー、なんだ、本当に忙しいから、また後でな」

 孝慈が食い下がるが、稲田先生はぶっきらぼうに言い、席を立った。

「あ、待ってください!」

 引き止めようとしたが、先生は耳を貸さずに職員室を出ていってしまった。

 孝慈が首を傾げる。

「なんか変だったな、先生」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る