スライムに名前を付けたらペンション買わされた件
第31話 温泉付きペンションの一時代
むかーしむかし、あるところに温泉がありました。
温泉の周りに街ができ、それを取りまくように別荘が売れました。
そのうち、温泉が出なくなりました。
別荘のお湯は普通のお湯になりました。
バブルは弾け、古くなった建物だけが当時の面影を残しています。
「というあらましです。」
「よくある箱物ストーリーだね」
「投げ売り?リフォーム?リノベーション?」
「中を丸っとリフォームしたらしいよ。間取りとか大分流行が変わったし」
「買う?買っちゃう?期待していい?」
「うーん、まずは見るだけで…」
先日、熱水に住むアメーバ状の海洋生物と遭遇しました。
その生物は獲物に幻影を見せて反応エネルギーを吸収する生き物でした。
そんな生き物がライブラリにハマったユキグモさんに感化され、
ダンジョンマスタースライムに進化してしまいました。
ユキグモさんが手放したくないと言うので、飼育できる熱水源を探しています。
「詫び温泉♪ひゃっほい♪」
ええ、うっかりスラりんと呼びかけたら、名前が定着してしまいましてね。
これはもう責任とって面倒見る所存でございます…。
それはそれとして、みーちゃんも温泉に入りたそうだったし。
「実は試したいことがあるんだよね。スラりんの幻影魔法をアレンジして、部屋の内装テクスチャ魔法を作りました。特許出願中です。」
「え、いつの間に!?早すぎない?」
「実はゆきちゃんの迷彩魔法見てて、見た目を変えるコスプレ魔法を開発してたんです。それの派生例に入れました。こっちもアバター丸ごと変える感じの着ぐるみ魔法に仕上げて親特許出願中です。」
「見た目変えるって…何かやましいことでも…?」
「いや、逆、逆!みーちゃんが街に遊びに行けるようにできないかなって」
「あ、私のためだったんだ。疑ってごめんなさい」
「三十路過ぎの独身がコスプレとか、ドン引きするのは仕方ないって」
「うん、犯罪に使われないように、明らかな着ぐるみパターンと、顔が出る服パターンをとりあえず作ってみたよ。こんな感じ。ね、自然に追従するでしょ?」
「おおー。メインを幻影にして、ユキグモ迷彩の環境追従を使ったんだ」
「へえぇ。試着みたいで面白いね」
「!その発想はなかった!そこにある服のイメージをコピーして使えば確かに試着できる。後で派生例に追加してくる!これで試着の待ち時間が大幅に減るね」
「いっぱい試着できるようになるね」
「えっ」
「半額セールだから2倍買える、みたいな」
「(半額セールって安く済むってことじゃないの?って言いづらいぞ)」
「…うん、時間の短縮はいいことだ」
「話がズレたけど、アバター魔法したまま入れる温泉作りたいなって。で、それだけだと違和感あるから、折角なら温泉の内装も変えられたらなって。」
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