第24話 ダンジョンのお土産

「見た目は小ぶりのトビザカナだけど…ああ、構成魔素が何かおかしいね。ダンジョンの作り物ってところかな。ここの壁とかの魔素構成に似てる。」

「壁かぁ…。食べられないね。」

「えー。残念。確か高級魚なのにぃ。」


とりあえず、ゆきちゃんが獲った魚を並べてみる。

8匹いた。全部動かない。よく見ると形が全く同じで不自然だ。

「こうしてみると作り物感があるな。精巧なフィギュアみたいだ」

「これ実在の魚なの?よく作ったね。モデルでもあったのかな」


トビザカナがほんのりゆらめいた後、集まる様にして消えた。

「「「!」」」


どどん。

キングトビザカナがあらわれた!


「はあ?!?」

「あ、こっちはホンモノだ。冷凍になってる。」

「もしかして、これがモデルだったの?食べられるやつ?」

「これは!イイんじゃないでしょーか!」


ちょっと内心ぐらついてる。

キングトビザカナは高級魚。美味しいよ!

カツオの大きさで、サバの旨味にマグロの脂が乗ったような味がする。

つまり煮てヨシ、焼いてヨシというヤツの代表だ!

どっから出してきた!


「持って帰ろう!焼けば大丈夫でしょ?」

「うん、腐ったらダンジョンが魚臭くなっちゃうからね。仕方ない、今日はこれ持って帰ろうか。」

「わーい。ネッター、ムニエルとかホイル焼きとかできる?俺食べてみたーい。」

「できるよ。カブト焼きもいけるね。目の周りがトロッとして美味しいよ!」

「「!」」

「目玉は2個あるから二人とも大丈夫だよ。僕は頬肉の辺りがあればいいから」


ということで、不測の事態に撤退だ!

うん、仕方ないね!


「ダンジョン、また明日ー!」


生物なのは間違いない。一旦戻って対策を立て直す。

情報操作と各所に根回しもしなくちゃ。未知生物の保護はウチの十八番だ。

こういうのはうわさが回る前に動かないと。


それはさておき、ワサの実採って帰らなきゃ。

ピリッとした辛味が魚に合う!


魚を食べないってことは、直接捕食系じゃないのかな。

幻影を見せて活動エネルギーを吸収する系かな。

からだの魔素構成があの比だとしたら、物理吸収できないのかもしれない。


カラの実も欲しいな。

血合いのところがヒレ肉みたいでカツも美味しい。

面倒だけどカラの実を練ってツーンとさせたヤツは揚げ物に必須!


ダメだ、思考が逸れる。

もう腹くくって食べるしかないな。

ややこしいことは明日にしよう、そうしよう。


…結論。秘蔵のシュワッチャ開けちゃいました!

シュワっとして目が冴えるお茶で完徹3日目のお供に最適なんですけれど、

ひっさびさに料理してテンション上がりました。


まず頭を落として二つに割って、直火焼。脂の落ちる煙がタマランねぇ。

身は3枚におろして、半分は乾燥棚に入れて干魚に。

もう半分を背中と腹と血合いに分けて、背中をムニエルとタタキに。

腹は塩振って締めてから、ホイル焼きに。

大分満腹なんだけど、もうひと頑張りして、血合をカツに。

ついでに骨もせんべいに揚げちゃうよ!


もうシュワッチャが進む進む。

もう完徹なんかしないもん!スローライフだもん!飲んじゃえ!

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