第1話

 人はみな、生まれながらオリジンを一つずつ持っている。

 オリジンとはその人の根源である。

 オリジンのランク、系統などにより、仕事、地位などが変わってくる。

 この世界ではオリジンが全てなのである。






 僕ことルイは過去の記憶を失っていた。

 5年前の記憶が全く無い。

 そんなところをルークじいちゃん、、、ルーじいが拾ってくれた。

 ルーじいは僕を自分の孫のように思い、育ててくれた。

 だが、そんなルーじいとのお別れのときが来た。


 人間の生は死と共にある。


 この言葉のとおり、ルーじいにも死はある。

 あれだけ老いた体に鞭を打ちながら頑張って僕を育ててくれても、死の運命には抗えない。

 だが、それを易々と受け入れられるほど僕は大人じゃない。


「ルイ、わしはもうじき死ぬ。

 だから過去の記憶を探す旅に出ろ。ゲホッゲホッ!」


「だめだ!

 死んじゃだめだ!」


「ごめんな。

 わしがもっと若ければな。

 ゲホッ

 愛して、る、、ぞ!、、、、ル、、、イ、、、、、」


「ルーじい?

 返事をしてくれよ?

 ルーじい?

 ルーじいいいぃぃぃ!!!」



 外では雨粒が嫌というほど地面に打ち付けられていた。

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