リストカット

タイトルからして不穏なので見たくない人は戻ってください。

記憶。です。


リストカットとは書いたけど、俺が中学の頃にしたのはアームカットのほうが正しいと思う。何かがつらかったのかは思い出せない。というか、いろいろとありすぎてどれか一つって説明できない。家庭のストレス、受験のストレス、身体違和、人間関係……よくある悩みっていえばそれまでだけど、当時の俺はうまく発散する方法を知らなかった。

Twitterを見ていて、リストカットを知った。

最初はおかしいと思った。

自分で傷つけるなんて。

けれども次第に、興味を持つようになった。

最初はすぐに辞めるつもりだった。

100均でカッターを買った。

左腕にあてた。

すーっと引いた。

やめられなくなった。

あまりにもやめられないもんだから、一日に3本までって自分にルールを課した。

それでも切るところがなくなるまで切ってしまって、結局ひどいときは両手両足に切った痕があった。


こんなことをしていて、親にばれないはずがない。

俺が不注意で腕をさらけ出していた時に、不運にも見つかってしまった。

その時の親のセリフは今でも忘れない。

学校にばれたらどうするの?

って。

真っ先に、世間体の心配をした。

ごめんね。世間体の悪い子供で。

心配をしてほしかったとは思わない。

けどこの一言で、親への信頼感は失われたと、それくらいは言ってもいいと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る