第16話 






「そうか...では僕とアーニャは街の代表と会談、荒木達は街の瓦礫撤去、料理長は支援物資を使って炊き出しを行なってくれ。炊き出し場所は中央広場だ、あそこは比較的被害が少ないからね、市民の皆は防衛戦で疲れている、それにお腹が空いているはずだからね。」


「了解、予定通り中央門から復興作業を順次始める。」


「ん...了解」


「わかったぜ黒崎船長、市民の腹を満たしてやるぜ」


「頼もしいね」


「では、仕事に取り掛かろうか....」



「解散!」







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アルカンディア中央街にある領主の館にて







「黒手組の皆様...我らの街を守ってくださりありがとうございます。」

アルカンディアの老領主、ロッコ・エル・ブラウンは街を守ってくれた恩人、アーニャ・マンネルヘイムと黒崎祐一そしてこの街を最前線で守ってくれた黒手組に深く感謝し頭を下げた。

ブラウンはもはや老いた身であり孫と屋敷の地下に避難していたが若き頃のように魔物と戦えず民を守れない事を悔やんでいた。

無力というものはこれほど辛いものだったのかと。


「人を助けるのは当然のことですよ、それよりも主戦力の到着が遅れて申し訳ない...もっと早く着いていれば...」

と黒崎は到着が遅くなった事を謝罪する。

「いえ、あの巨体では移動に時間がかかるでしょうしアーニャさん達黒手組の皆様が魔物の足止めをしてくださったおかげです。本当に...ありがとうございます。」


「ん...領主様が無事でよかった。」

とアーニャは言う

「そうだよお爺ちゃん、今お爺ちゃんが居なくなったら生きていけないんだから」いつのまにか部屋に居た領主ブラウンの孫娘、ロザリー・エル・ブラウンは祖父の隣に座り祖父を励ます


「ロザリー...ありがとう..お爺ちゃんは嬉しいよ」


「えへへ」




「....それで、話は戻りますが、私たち黒手組の滞在と駐屯を許可してくれるというのは本当ですか?」


「えぇ、本当ですよ。」


「では正式に契約を交わしていただきたい。」





つづく





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