第14話 病室の英雄達

「あの人の部下はまともな人が多いんですけどねぇ」


「そうだね」

それには黒崎も同意した

なんであの人の部下はあの人に着いて行っているのか...

そう思わざるを得ない黒崎達なのであった。




「では、英雄たちに会いに行こうか」


「アーニャさんと飛行小隊の皆さんと第23号支部の人たちですね。」

名前で言うとアーニャ、支部所属のヴィッカース、ハインケル、インクヴァルトの3人である。なお飛行小隊の副隊長は日本での名を捨てており今は飛行小隊副隊長で通ってるので略されている


「うん、うちには優秀な治療魔法師いるし、歩く事はできなくともちょっと喋るくらいなら問題ないだろうからね。」



「確かにアーニャさんは黒手組屈指のフィジカルゴリラでしたから治療魔法師さえいれば殆どの傷は直ってるかもしれません。」


「あの小さな体の何処にそんな筋力があるんだろうな。」


「そうだね....流石にまだ重症かもしれないけど....」

荒木達はアーニャ達の事を心配していた




きっと重症で痛みで泣いているのだろうなと思っていた...





のだが





「重症だって聞いたのになんで怪我どころかかすり傷すら無いんですか?」

ボブ(黒崎)は訝しんだ。


そこには包帯を巻きミイラになったアーニャの姿は無く、何処から持ってきたのかわからないおそらく彼女の私服だと思われるブルマを着て右手でVサインを作っている怪我どころか、かすり傷すらないアーニャの姿が病室にはあった。

(なぜにブルマby荒木)

なんで無傷なんだよと重症で包帯ぐるぐる巻きにされ見た目がミイラとかしている飛行隊の隊員から恨みの声が上がる。

ご愁傷様です。

「....ブイ」

当の本人は治療魔法師から貰ったりんごを黒崎剥いてもらいうさぎカットにして貰っていた。満足そうである。

「小隊長、捜索隊が着いた頃にはもう殆ど治ってたんですよね。正直言ってフィジカルゴリラ超えてバケモンだと思ったほどです」

「治療魔法師いらねェじゃん」と包帯ぐるぐる巻きの飛行小隊の副隊長はモゴモゴと口を動かしながら発言する。

俺もそう思う。


「....バケモンはちょっと酷いと思う....」


「パラシュート切れて石畳に墜落したのに重症どころか軽傷も負わない様な人はもうバケモンでいいと思いますが?」




「ぎぎぎ....」


ジトーと副隊長を睨むアーニャ。

しかし容姿のせいで全く怖くないし寧ろ微笑ましい光景になっているのをみて周りの病人達に笑みが溢れる。


「まぁ...小隊長が無事で良かったと思いますが....」

ツンデレかな?


「ん...ありがと、りんごいる?」

アーニャはミイラ状態の副隊長にうさぎカットのりんごの乗った皿を差し出す。


「この状態で食べられるとでも?」


「....残念」






つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る