第13話 復興作業
「そうか...良かった。直ぐに医療班を向かわせるから出来る限り付近の負傷者を助け出してくれ。」
負傷者を出来るだけ治療し市民からの印象を良くし後々やってくるであろう騎士団との衝突を回避する。それが黒崎の目的だった。
「
捜索班との通信を終了した後、黒崎は机の上で手を組み今後の対応を考えていた。
「1番の懸念は消えた...あとは対応だけ...か」
貴重な人材であるアーニャの生存が確認された事で飛龍を倒し街を守った
そんな事を考えていた黒崎の元へ来客があると戻ってきた副官がノックをする
「入っていいよ」
「黒崎、話があるんだがちょっといいか?」
「なにかな、荒木副船長」
「支部の皆にも数人の死者が出たようだが、その他の損害は物質的損失だけみたいだ。だが補給予定地がこの有様じゃ食糧の補給どころじゃないぞ、寧ろ街自体に支援しなきゃいけないくらいだから食糧が足らないどころじゃない」
街のほとんどは破壊され、多くの市民が死亡ないし負傷という大惨事に
黒崎はどうするべきかと考え込む。
「そうだね....まずは街や市民の被害状況の確認と周囲の黒手組支部に食糧支援の要請を送くろう」
「わかった。支部所属の知り合いに食糧を優先的に供給してもらえるか交渉してこようと思う、それで付近の騎士団との対応は決まったのか?後処理に関してだいぶ荒れると思ったが」
「問題ないさ、この船は幻覚魔法で見せていた事にして、飛龍はアーニャ達飛行小隊が撃退したと付近の騎士団には説明する事になっている」
死体はすでに回収済みだと黒崎は答える。
「飛行船の印象が強すぎて幻覚魔法で通すの無理では?」
「問題ないはずだよ、それに幻覚魔法はそんなもんだってハイドリヒが言っていたしね。」
「げぇ...あの人の入れ知恵かよ」
と荒木は露骨に嫌な顔をする。
そこまで嫌なのかと黒崎が言うが。
「あの人苦手なんだよなぁ...なんというか冷徹すぎるというか人の心がないというか...」
「私はハイドリヒの事は信頼しているけど、信用はしていないかな」
ハイドリヒとは黒手組保安部長官にして金髪の野獣の異名を持つとある男の事を指す。
ハイドリヒは基本的に黒手組内の人には好かれていないし好かれるわけがない類いの人、別名としてはナチ○ム警察24時を体現する人やケツがデカい人(偏見)などがある。
そんな話をしていると....
『私が何か言いましたか?』
部屋に置いてある通信機からハイドリヒの声が聞こえてきた。
聞こえてきたと同時に部屋の隅に設置されていたジュークボックスからモーツァルト 交響曲40番第3楽章が流れ始める。(某zが付く実況者ネタ)なぜ動くのかは不明
「うわでた」
荒木は突然現れた化け物を見るような目で通信機を見つめる。
『君が通信をかけてくるなんて珍しいね。』
ハイドリヒが掛けてくることは珍しく任務完了しなど
『えぇ、司令官閣下が困っていると聞きましたから、是非支援をしたいと思いましてね。私の直属の部隊も治安維持に協力しましょうか?』
「「部隊派遣は結構です」」
何がとは言わないが絶対に派遣させてはいけない類の部隊と言っておこう
何がとは言わないが....
『そうですか...残念ですね、貴方に会いたいと言っていた部下も居たのですが....』
「すまないね、君には別の任務を任せたいからこの街に来るのは勘弁してほしいな」
『....了解しました、では支援物質だけ送っていきますね』
「よろしく頼むよ」
通信が切れてから数分後、
ハイドリヒと黒崎が話し始めてから無言を貫いていた荒木が口を開く。
「やっぱりあの人苦手だわ」
「同感です、あの人どう考えてもこっち側の人間じゃないでしょ」
荒木と同意見でハイドリヒに対して嫌悪感を隠せないでいる副官の少女
「あの人の部下はまともな人が多いんですけどねぇ」
「そうだね」
それには黒崎も同意した
なんであの人の部下はあの人に着いて行っているのか...
そう思わざるを得ない黒崎達なのであった。
つづく
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