第11話

「飛龍の角が....折れた!」

という声と同時に飛龍は地表に墜落し地表で待ち構えていた隊員によって次々に大型対魔弾頭を叩き込まれる。

「効いてる!効いてるぞ!」

そんな声が一部の隊員から聞こえてくる。

「よしこれで目の上のたんこぶは無くなった、総員集結!これより殲滅戦に移行する!機甲装備中隊クルセイダーズ前へ!」

「「「「「「了解ヤヴォール」」」」」」


機甲装備こと先端が接触すると爆裂する大型の銃槍を右手に、左手に対爆発防護盾を持った機甲装備中隊クルセイダーズは敵地上戦力の根幹をなす中型の魔物、ハイオーガの集団に向かって突撃する。


「1番槍はこのワタシダァ!」

と言い、血で赤く染まった銃槍を手にハイオーガ相手に突撃し無双するのは

機甲装備中隊クルセイダーズの中隊長を務める女性である

インクヴァルト・ザ・ウィンクル

「ウィンクル中隊長!我々の分も残してください!」

そんな光景を見た一部の隊員から抗議の声が上がるが

「やなこったい、貴様らの相手は...雑兵だ!」

と一蹴し他の隊員が相手していたハイオーガの首を刎ねて手柄を横取りする

それを見た隊員達は魔力でブーストをかけて一気に殲滅しに掛かるべく

「何ぃ!小隊!我々も手柄を上げるぞ!」

と声を上げ士気を上げる

「「「「うおおおおおおおおおお!!!」」」」

強い...けど暑苦しい...

そう思わざるを得ない程暑苦しい地上部隊を見つめた後アーニャ達飛行小隊は周囲の翼竜を落としながら空中戦を繰り広げていた。

『...地上は任せてよさそう...』

その声に反応して並行飛行していた飛行小隊の副隊長が無線で話しかける

『では上空の残党狩りですね?』


『ん...そう』

アーニャと長く過ごしてきた副隊長は短いながらも言いたいことが分かったのか

小隊の副隊長は僚機の3、5番機を連れ、残った小型翼竜の殲滅にかかる。

『了解です、よし3番機、5番機は着いてこい、我々は右側面を叩く!』

『『了解!ヤヴォール』』

アーニャは残った4、6番機の第一分隊を招集する

『4番機と6番機は着いてきて...私達は左側面を殲滅する。』


『『了解ヤヴォール』』

アーニャ率いる第一分隊は



アーニャは地上に隠れていたもう一体の飛龍に気づかなかった

飛龍は油断していたアーニャに向け体を突進させると翼をエンジン部分に接触させようとする。

此方に向かってくる飛龍に気づき回避するべく機体を右に捻るが気付くのが遅かったのか飛龍の翼がアーニャの機体に接触してしまうが

エンジンへの接触をギリギリで回避した事にホッとするアーニャ

しかしすでに翼が折れかかっている為、思ったように操縦が効かなくなりついに機体が墜落し始める。

そして地上に迫る中、機体を捨てパラシュートで脱出するアーニャ


「小隊長!」

小隊長が落とされたと言う衝撃の事実に動揺が広がる副隊長以下小隊員達


動揺した事によって生じた僅かな隙を突かれたのか

翼竜によって集中攻撃を受ける飛行小隊

「5番機!脱出します!」

「同じく、3番機、脱出します...すみません」

また1機また1機と次々に味方機体が落とされていき徐々に押されていく中、とある連絡を受信した小隊の副隊長は必死に到着までの時間を稼いでいた

残った機体は副隊長含め2機

そのうちの一機は弾切れで戦力外、つまり2機で戦線を支えないといけない...

最後の僚機が撃墜された事で副隊長は自爆カミカゼを覚悟した

その時、突然が暗くなる。

夜になったのでも空が曇ったのでもない、地上を照らしていた太陽が巨大な何かに遮られてしまったのだ。

魔物も隊員も市民も、戦いを一時的に止め、一斉にその原因となった物に目を向ける。

湖のように巨大で雲よりも白く、そして何よりも信じがたかった。

飛行船...この世界にもと言うよりはこの街では飛行船という存在の構想はあったものの実現は絶対に無理と結論が出ていた。

それを操るのは...

「遅くなったね」


「.....遅いよ」



にして 黒崎 祐一 





「さぁ...逆襲の時間だ」



つづく

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