第5話 飛行船建造計画(by黒手組)
アルカンディアに向かって飛行中、暇を持て余していた飛行船開発主任兼船長黒崎の元に悩める一般新人乗組員こと三崎すず(女の子の様な名前だがれっきとした男らしい)が尋ねてきた
「それで...なにかな?新人くん、私に聞きたいことって」
「えーとですね、この飛行船ってどういう経緯で建造されたのかなぁって思いまして、知ってそうな人に聞いて回ってるんですけど」
「この飛行船の設計及び開発の為の材料は自分が用意したけど、建造自体は前副船長が建造指揮をとってたからね、詳しくは知らないんだけど、ちょうど関係資料があるからそれを見るといいよ」
そう言い黒崎は棚に収められていた黒いファイルと一つの赤いアルバムを取り出して、三崎に手渡す。
「これは?」
「開発秘話の記録ってところかな」
懐かしいね、あの頃は大変だった。
「へぇ.....これが.....」
三崎はファイルを開き
「あれ?これ....写真ですか?」
つぎにアルバムの方に目を通したがこの世界の技術を明らかに逸脱している写真を見て驚きを隠せなかった。
「そうだよ、まだ技術不足で白黒だけどね...」
転移から8年経った後に発足した初期の黒手組時代に開発された写真技術
「十分すごいですよ!この世界まだ15から6世紀でそこまで発展しているとは言えないのにもう第一次世界大戦直前の技術力だなんて!」
写真技術の発明は19世紀で本格的に発展したのは20世紀に入ってからだが、白黒写真は19世紀後期にはすでに開発されていたとされる。
写真について詳しく説明すると
写真の歴史に関しては、西洋と東洋において、絵画や彫刻のような著しい差はない。その原因としては、現在の意味における写真の始まりが19世紀であり、その歴史が短いため、洋の東西で大きな差異が生じなかったこと(20世紀以降は、通信手段の高度な発達により、特に先進国間においては文化状況に差異が生じにくくなっている)が挙げられる。また日本の場合には、写真はまさに「輸入」した表現手段で、西洋の写真の「まね」から始まったという経緯も深く関係しているとされる
「そんなに褒められると悪い気はしないね。」
「すごいなぁ....この集合写真に写っているのは....」
「あぁ、私と副長、それに各支部にいる隊長たちだね」
黒手組にはそれぞれの国に支部があり、各支部には隊長と呼ばれる実力者が支部所属の転移者、転生者で隊長は転移者・転生者由来の知識の情報を管理する権限が与えられている。
管理の理由は転生者による不用意な発展を避け、今の世界を守るためであるとされる。
つづく
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