エース同士の対談

強敵、グレゴリー・"パピー"・ボイントンを撃墜した我等は逃げ帰る敵を追わず、

この日は戦闘終了。


基地では吉田カメラマンがアイモ(撮影機材)で空戦を望遠撮影してたそうだ。


ボイントンはラエ基地隊のランチで捉えられ、抵抗する事なく、連行。


着陸した我等と対面する事となった。


「・・貴様がテツゾー・イワモトか??俺はボイントンだ。

今日は・・・負けた。どうして負けたかは自分でも説明出来ない。」


「岩本だ。貴殿も強かったぞ。我が部下でも負けるのは多かったと思う・・が。

僅かに俺が貴殿よりGに強かったのが俺の勝因だ。

ドッグファイトの最後で一瞬気絶か操縦を緩めるかしただろ?

アレで勝負は決したのだ。」


「・・・俺もGには強い人間と思ってたが。

貴殿は別格だったな。さすがタイフィーンの強者だ。」


「た・・・嗚呼、96の事か?

アレは本当に良い機だった。だが武装が軽くてな。

まあ今の愛機も良いぞ。詳細は機密なので教えられないがな。

それと貴殿は東京拘置所送りとなる。

すまんが強敵を祖国に戻す訳にはいかない。」


「・・・まあ仕方ないだろう。俺の戦争も終わりか・・。

だが貴殿と闘い、堂々と敗北したので悔いは無いぞ。」


「俺もだ・・・。米軍と闘う時は大半が数を頼みに来るヤツが多い。

貴殿は低空から基地に舞い降り、堂々と俺と闘った。

俺は貴殿に誓おう。

この太平洋戦域でトップエースとなる事を。」


「良いのか?そんな事を言って・・。」


「無問題だ。貴殿が東京送りになれば祖国と手紙で通信出来ると思う。

その中で俺との闘いを書け。

そしてJAPのパイロットがトップエースになると言ったと。

俺に闘いを挑めと部下や後輩に教えろ。

全て返り討ちにしてやるとな。。」


「分かった。俺もトウキョーに送られたら祖国に便を頼み、貴殿の事を

描いておく。だが部下が貴殿を襲うぞ?良いのか??」


「望む所だ!!いくらでもかかって来い!!ラエのイワモト・・


そうだな・・烈風虎徹(レップウコテツ)と名乗ろう。」


岩本が所持する名刀、虎徹に愛機の烈風を足した岩本の俗称が誕生した一瞬であった。


ボイントンはラエからラバウルを経由し、東京拘置所で捕虜となり終戦まで拘置。


その間、「我が空戦記」を執筆。


ライバルのダグラス・バーター。

岩本徹三を詳しく書き、祖国にも数多くの文面(検閲で機密は書けません)を出し、

ラエに強敵あり。烈風虎徹を倒せ!と明言。


ボイントンとの空戦はニュース映画でも報じられ、多くの臣民を賑わせる事となった。


後に岩本の愛機にはボイントン撃墜を掲示する星マークに矢印が描かれ、

俺の目印となり敵が群がる事となるのだ。



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この世界は割と海軍も緩いです。

検閲必須ですが、捕虜も祖国と手紙で通信可としました。

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